経済・社会

2022.03.03 10:00

途上国を危機から救う。気候変動との闘いにおける貿易のあり方とは


より包摂的なグローバル経済構築のチャンス


パンデミック(世界的大流行)も3年目を迎える私たちにとって今重要なのは、次世代に残したい世界とはどのようなものかを考えることです。

気候変動による異常気象が輸送、物流、デジタル・インフラに与える影響は年々大きくなり、資本ストックや輸出能力が損なわれ、農地は荒廃し、食料安全保障が脅かされています。

気候変動による影響は人類の長期的な開発目標に重大な影響を及ぼしており、過去20年間の開発の進展もすでに大きく損なわれています。その中で最も大きな打撃を受けているのは、最貧困層の人々。格差がさらに広がっているのです。



貿易には、このような多くの課題との闘いにおいて重要な役割を果たすことが期待されていますが、従来通りのアプローチだけでは不十分です。この難しいミッションを成功へ導くには、グローバルな協力がかつてないほど重要となっているのです。

貿易の在り方を「リセット」し、環境に優しく、強靭性の高い、包摂的な開発メカニズムとして生まれ変わらせることができれば、脆弱な経済圏に気候変動に対応したソリューションを積極的に普及させることができます。開発途上国が未来の低炭素社会に適応し、繁栄するためには、全方面にメリットをもたらす貿易を実現することが必要です。

貿易の気候変動対策に対する貢献についての詳細は、世界銀行の「Trade and Climate Change research section(「貿易と気候変動」リサーチセクション)」をご覧ください。

(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Mari Elka Pangestu, Managing Director, Development Policy and Partnerships, World Bank Group

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