1月の第1週は、H&MがCEEKとタイアップし、CEEKが運営するメタバースでバーチャルファッションを販売するという報道とともに幕を開けた。
H&Mは1月5日までにその報道を否定したが、興味深いことに、同社の広報担当者はその可能性に含みを残し、H&Mは「現時点では」メタバースで店舗をオープンしていないと述べた。
そもそものはじまりは、1月3日のインド発の報道だった。その報道では、H&Mが「CEEKシティ(CEEK City)」を通じて、メタバースの仮想店舗における3次元的なショッピング体験を提供する計画を発表したと伝えられていた。
報道によれば、客はCEEKシティ空間で店舗内を歩きまわり、欲しい衣類を選んで購入できるという。ただし、その服を着られるのはデジタル環境のなかだけだ。
代金はCEEKコインで支払われる。その後、H&Mの実店舗で販売されている同じ衣類を注文することもできる。
報道を受け、CEEKのツイッター公式アカウントは、1月3日に次のように明言した。「CEEK内のH&Mストアは、H&Mに向けて提示されたコンセプトにすぎず、まだ実際の仮想店舗ではありません。当社は、H&Mの担当者と実現について協議していますが、現時点では現実のものではありません」
メタバース・コインプロジェクト「CEEK」
そもそも、CEEKとは何だろうか? 2018年にスタートしたCEEKは、イーサリアムのブロックチェーンを基盤に築かれたメタバース・コインプロジェクトで、「アーティスト、アスリート、その他のデジタルコンテンツクリエイターとファンたちを仮想世界で結びつける」ものだ。
CEEKのNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスは、デジタルアイテムの実際の所有権を、複数のデジタルリアリティ環境へ移せるように設計されており、デジタル通貨、グローバル決済、各種アプリケーションに対応している。
CEEKの仮想現実空間は、バイナンス・スマートチェーン(Binance Smart Chain)を通じたスマート契約にもとづいて運営されており、CEEKコインの希薄化後時価総額は7億ドルあまりに達している。
現在、7億4400万枚を超えるCEEKコインが供給されており、最大供給量は10億コインまでとされている。4セントでのスタート後、1年前に一時的に1.16ドルのピークに達したものの、現在は0.60ドル前後で取引されている。