メダリストが専属コーチに。トータルフィットネスアプリ「SPORY」の画期的な仕組み

Chalermpon Poungpeth / Shutterstock.com

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コロナ禍によって変化を余儀なくされたことは少なくない。外出自粛期間には、スポーツジムやフィットネスクラブなど体力・健康作りのための施設に通うことが難しくなった。

そこで注目されたのが、オンラインによるトレーニング。YouTubeやアプリ、Web会議システムなどを利用したさまざまなサービスが登場した。

中でも昨年6月にリリースされたトータルフィットネスアプリ「SPORY」が、日本を代表する多くの競技の一流アスリートから直接指導が受けられると話題に。一流のトレーニングノウハウをアスリート本人から学べる仕組みとは? 運営会社代表の丸山和也氏に話を聞いた。

アスリートがアスリートのまま、セカンドキャリアを歩めないか?


アプリの一番の柱は、2021年12月現在約100本、細分化されたチャプター数としては500本のトレーニング動画だ。この動画に登場し、トレーニングを行っているのは、日本のメダリストなどトップアスリート。錚々たるメンバーがトレーナーに名を連ねている。



「トレーニングというと、みなさんトレーナーが教えるものだという固定観念があります。でも、アスリートこそ長い時間自分の心と体を鍛えてきた一番のプロフェッショナルです。彼らが実際に日々やってきたこと、積み上げてきたことを再定義して、それを誰でも取り組めるように整理してお伝えするのがこのサービスの柱と捉えています」

SPORYの契約アスリートには、水泳の銅メダリスト立石諒氏、水球代表選手の保田賢也氏、総合格闘技のホープ三浦彩佳氏、そして先日の東京2020オリンピック柔道で金メダルを獲得した髙藤直寿氏など、豪華なメンバーが名を連ね、プロチームの参加も控えている。丸山氏がそんなアスリートとともにサービスを始めようとしたのにはある理由がある。

「僕自身ずっとスポーツをやってきて、高校では柔道で全国大会にも出たほど。実は髙藤くんとは高校大学が同じだったんです。自分自身スポーツに打ち込む中で考えたのは、アスリートがずっと競技を続けてきて、現役を引退するとき、アスリートのままセカンドキャリアを歩む方法がなかなかないということなんです。アスリートが社会に対して自分の価値を還元する仕組みをつくらないと、本質的な意味でのアスリートのセカンドキャリアの問題の解決につながらないんじゃないかと思っていました」

アスリートとして華々しい活躍をしてきた選手のその後について、確かに私たちは普段あまり意識をしていない。トップアスリートなら後進の指導などなんとなくイメージできるが、全ての人にそんな門戸が十分にあるとも思えない。彼らの身に着けた能力や技術が何にも活かせないまま終わるとしたら、大変もったいないことだ。

「大学卒業後、僕はアシスタントコーチやメーカー勤務を経て、独立して人材紹介業、アスリートのセカンドキャリア支援やスポンサー活動をしていました。そこでアスリートから相談を受けたり、問題意識を共有する中でこのサービスのアイデアが生まれたんです」


スポリー代表取締役の丸山和也氏
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文=定家励子(パラサポWEB) 写真=吉永和久

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