廃棄PCを再利用し、環境負荷ゼロを目指す「ZERO PC」とは?

出典:ボーダレス・ジャパン

ボーダレス・ジャパンのグループ会社であるピープルポートは、環境負荷削減を目指しアップサイクルPC「ZERO PC」を提供している。

ピープルポートは廃棄されたPCを再利用し、使えなくなった部品もすべてリサイクルすることでサステナブルな社会実現に向けて取り組んでいる。ZERO PCの特徴について、ボーダレス・ジャパンは以下を公表している。

環境負荷の少ないアップサイクルPC


製品:主に企業が廃棄したPCを無料回収する。使用済みPCの中身を入れ替えて新品同様に再生(Windows 10搭載)。長寿命化を目指して心臓部品は新品を使用し、長寿命の部品はリユース品を使用。新品の半額以下で販売している。

製造工程:再生不可のパソコンと交換部品をリサイクルし、廃棄ゼロを実現する。

サービス:梱包材はプラスチックゼロ。製品の長寿命化を目指し、充実した保証を提供。配送を減らすべく遠隔操作で支援し、購入前に1週間試せる。

PC本体のアップサイクルと製造工程での100%再生可能エネルギー使用により、ZERO PCは新品のPC製造と比較して約90%のCO2を削減するとしている。

難民と子どもを支援


難民を支援:ピープルポートは、日本に難民としてやってきた人々の雇用創出に取り組んでおり、難民の人々が日本人と同水準の給与と社会保障で、スキルを持った人材としてPC再生業務を担っている。

子供を支援:子どもたちの教育支援に取り組むNPO団体に、回収したPCの買取金額相当を寄付している。

石坂産業とパラドックスが参画するチームSUTE.labは、ゼロウェイスト社会に貢献する循環型製品としてZERO PCを2021年度認定製品に選出した。ZERO PCは、軽作業向け(インターネットやメールなど)・事務作業向け(写真管理やビデオ通話など)・ビジネス向け(オンライン会議や資料作成など)・ハイパフォーマンス向け(デザインやゲームなど)の4種類があり、それぞれ価格が設定されている。

国連のグローバル電子廃棄物統計パートナーシップのレポート「The Global E-waste Monitor 2020」によると、日本では256.9万トン(2019年)の電子廃棄物が発生し、うち回収・リサイクルされたのは57万トン(2017年)のみであったことから、電子廃棄物の都市鉱山としての可能性が指摘されている。

電子廃棄物削減に向けては、ZERO PCのような下流における包括的な取り組みと、設計段階で廃棄物削減を目指す上流での取り組みの両方が展開されていくことが望まれる。

【参照サイト】ZERO PCPR TIMES

この記事は、2022年1月にリリースされたCircular Economy Hubからの転載です。

文=クリューガー量子

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