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2021.12.27

東南アジアの音楽制作プラットフォーム「バンドラボ」の躍進

(c) BandLab

シンガポールを拠点とする音楽クリエイターのためのデジタルプラットフォーム「BandLab(バンドラボ)」が12月17日、シリーズBラウンドで5300万ドル(約60億円)を調達したことをアナウンスした。

今回の調達を主導した故ポール・アレンが設立した投資会社のVulcan Capitalは、BandLabの評価額を3億300万ドルとした。この調達には、マレーシアの大富豪ロバート・クオックの孫のクオック・メン・ションが設立したシンガポールの投資会社K3 Venturesも参加した。K3は、グラブ(Grab)や中国のバイトダンスの初期からの出資元として知られている。

BandLabは、世界最大級のパーム油事業を営む富豪のKuok Khoon Hongの息子のKuok Meng Ruが2015年に立ち上げた、モバイルファーストの音楽制作用プラットフォームで、4000万人以上のクリエイターに利用されている。

「私たちのビジョンは、音楽の制作と共有から障壁を取り除き、モバイルファーストなエクスペリエンスを実現することだ」と、BandLabのCEOを務めるKuok Meng Ruは声明で述べた。

BandLabの親会社のCaldecott Musicは、音楽メディアのNMEやUncut、楽器販売店のSwee Leeなどを所有している。BandLabは、2016年に音楽メディア「ローリングストーン」の49%の株式を取得したが、その後、2017年に同誌の経営権を取得したPenske Mediaに売却していた。

Vulcan Capitalの東南アジア担当のトミー・テオは、「世界中の何百万人もの情熱的なコミュニティを持つBandLabは、音楽クリエイターやアーティストに革新的で有意義なツールを提供してきた素晴らしい実績を誇っている。彼らの顧客基盤は米国のような主要マーケットだけでなく、新興国にも広がっている」と声明で述べた。

編集=上田裕資

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