米ユタ大学のトッド・ゼンガー教授が行った調査では、シリコンバレーの大企業2社のエンジニア700人のうち、ほぼ全員が自分の業績は平均以上だと回答した。自分は上位5%に入る従業員だと考えていたのは40%近くで、上位25%に入っていると思う人は92%もいた一方、自分が平均以下だと感じていたのはわずか1人だった。だが現実には、彼らの50%は平均より低い額を稼いでいるのであり、ゼンガーは給与情報の開示は悪影響を生むと指摘した。
給与の透明性は、給与の格差に関する全ての問題を解決するわけではない。男性が女性よりも昇進が早かったり、男性の方が女性よりも上級職に採用されやすかったりすれば、その給料は女性よりも高い水準であり続けることになる。給与の透明性は、同じ役職の人々の給与差を解消するためのものだ。
給与情報の開示によるさまざまなメリットを考えれば、これにより女性の給与体系が大きく変わる可能性は高い。フィンランドのトーマス・ブロンクビスト平等相は英ロイター通信に対し、新法は2023年4月の選挙の前には議会を通過するとの見通しを語った。