1. 議論に入る前に、2~3の論点を整理しておく
難しい話の最中では、言いたいことや、言うつもりだったことを忘れてしまったり、明確に表現できなかったりといったことが起こりうる。話が終わってから、思い返して「ああ、あのことを伝えればよかった」と後悔したくはないはずだ。
話し合いが始まる前に、相手に伝えたい2~3の論点を書き出しておこう。動揺してしまった時は、紙に書いた論点を見直そう。こうしたキーワードやフレーズは、言いたいことや、どんな言い方をしたいかを思い出すのに役立つ。
2. 無関係な話題に軽く触れてから、話を切り出す
「雑談」は、話を切り出すためのすぐれた手法だ。職場での話し合いの堅苦しい雰囲気を和らげることができる。話に参加している人たちに、ひととき仕事モードを離れて、肩の力を抜く機会を提供しよう。
3. 相手からの質問全体を書き留める
面談や業績評価といったストレスフルな状況では、思考があちこちに飛んでしまうかもしれない。集中力が途切れている時には、質問を正確に聞き取れなかったり、質問に完全な形で答えられなかったりするリスクが生じる。
質問が複数のパートからなる場合は、そのすべての要素を書き留めよう。質問に答える際には、すでに答えた部分にチェックを入れて、完全な形で応答できているか確認しよう。
4. 相手に発言を繰り返してもらうか、詳しく説明してもらう
相手の質問や発言は、ためらわずに、繰り返してもらおう。相手が言っていること、尋ねていることがはっきりわからない時は、あなたが聞いた言葉をそのまま相手に対して繰り返し、それで合っているか聞いてみよう。コミュニケーションの齟齬は、状況をさらにストレスフルにするだけだ。
5. 自分には、他の人と同じだけの価値があることを忘れない
役職や年齢が原因で、他の人には自分を上回る力がある、と感じる時もあるだろう。そんな時は、誰もが重要な役割を担っていることを思い出そう。すべての人に価値がある。自尊心をもち、自分の価値を認識して、貶められることがないようにしよう。
自分の意見を堂々と主張するのはもちろん重要だが、柔軟であることも、等しく重要だ。話し合いに参加する人たち全員に等しく価値がある以上、他の人の意見に対してオープンでなくてはならない。自分自身と他の人の両方に敬意を示すことで、人間関係が改善され、話し合いに参加する人々が力づけられる。
難しい会話に起因するストレスの量を減らすことは可能だ。ポイントは、論点を事前に整理しておき、雑談から始め、メモを取り、追加説明を求め、自分の価値を信じることだ。