無線信号のエネルギー
IoTとは、何十億もの電子機器がインターネットに接続され、それぞれが持つ機能を果たしている状態を指します。日常生活に欠かせないデータを報告するIoTセンサーは、非常に消費電力の低いデバイスであることが多いものの、バッテリーの寿命が限られていることや、一度設置されても現地の環境では物理的な接続が不可能なことも多いため、充電を維持することが課題となっています。
5Gの登場により、十分な電力の無線信号が提供されるようになったため、IoTセンサー内の小さなアンテナがその無線信号からエネルギーを「収穫」できるようになりました。このような新技術の先駆けとして、ドライバーが料金所を通過する際に発する無線信号を利用した、自動化された「タグ」が以前から使用されています。
5GはIoTの発展を加速させていくでしょう。イメージ: Reuters/George Frey
より長い「健康寿命」を目指して
世界保健機関(WHO)は、2015年から2050年にかけて、世界の60歳以上の人口割合は12%から22%に増加し、約2倍になると予測しています。高齢化は、がん、2型糖尿病、認知症、心臓病などの急性疾患および慢性疾患の双方に関連性があります。
研究者は、加齢における分子メカニズムを早期に解明しており、これにより私たちは、単に長生きするだけでなく、より健康的な生活を送ることができるようになるかもしれません。オミックス技術(細胞内のすべての遺伝子活動やすべてのタンパク質濃度を同時に数値化できる技術)とエピジェネティクスの知見を用いることで、研究者は病気の強い予測因子である生物学的マーカーを特定し、積極的な治療のターゲットを示すことができます。
アンモニアのグリーン化
世界の食糧需給を満たすためには、作物の生産においてアンモニアを原料とする肥料が必要です。しかも大量に。また、肥料用のアンモニアを合成するには、ハーバー・ボッシュ法と呼ばれるエネルギーを大量に消費する方法が取られ、膨大な量の水素を必要とします。現在、水素の多くは、電力を使って水分子を分解する電気分解や、炭化水素の高温分解によって製造されており、両方式ともエネルギーを必要とするため、膨大な量の温室効果ガスが発生しています。
再生可能なエネルギー源が普及しつつある現在、温室効果ガスを排出しない「グリーン」な水素が作られています。グリーン水素は、大気中の余分な炭素を排出しないだけでなく、原料として化石燃料を使用した場合に混入する汚染化学物質を含まないため、より効率的な触媒作用が得られ、純度の高いアンモニアの生成を促すのです。