同社はその後、マグネットでデバイスを固定して充電を行うMagSafe充電器を発売したが、ブルームバーグのマーク・ガーマン(Mark Gurman)記者によると、アップルは現在もなお、マルチデバイス対応のワイヤレス充電器の開発に取り組んでいる模様だ。
ガ―マンのニュースレター「Power On」によると、アップルは、現状のiPhoneやAirPodsに採用した電磁誘導充電(inductive charging)から数ステップ進んだ、短距離および長距離のワイヤレス充電デバイスを検討しているという。
さらに、「主要なデバイスすべてが相互に充電できる未来を想像している」と、ガ―マンは述べている。この機能の実現に向けては、数年前にファーウェイが実用化した「リバースチャージ(逆充電)」の技術が必要になる。
しかし、現状のワイヤレス充電は、ケーブルを用いた充電よりも充電速度が遅いことが難点だ。アップルがなぜ、ワイヤレス充電にこだわるのか不思議に思う人も居るが、それは、同社がケーブルのない「ポートレス端末」の実現に全力で取り組んでいるからだと筆者は考えている。
背景には、電子ゴミの削減を推進する欧州連合(EU)がデバイスメーカーに、ケーブルの数を減らすことを求める法案を可決させようとしていることが挙げられる。これにより、すべてのメーカーはUSB-Cへの移行を強制され、アップルのLightningケーブルは廃止されることになる。
アップルはすでに、iPhoneの箱に電源プラグやイヤホンを同梱することをやめたが、将来的には電源ケーブルの同梱も廃止されるのかもしれない。