昨年はコロナで中止が余儀なくされたが、2021年は12月12日に開催されることが決まった。つい数カ月前までは新型コロナの感染が爆発し、州知事が観光客に旅行を控えるよう呼びかけていたのだが、どのようなレーススタイルで開催されるのか。現地から紹介する。
2021年夏の感染爆発から、規制緩和へ
アメリカの中で常に低い感染率を維持してきたハワイでは、2021年夏に各種の規制が緩和された。だがそのタイミングに、デルタ株の侵入と夏休み期間が重なったことで、主にワクチン未接種の人々の間で感染が急増。8月下旬には1日の感染者数が、過去最高となる1日1000人以上を記録し、現地の医療機関は逼迫する事態に追い込まれた。
このため、人口と観光客数がもっとも多いオアフ島では、飲食店やスポーツジム、映画館などではワクチン接種証明がないと入場できない新しい規制を導入。また、海外からの観光客はまだほとんどいないものの、アメリカ本土からの観光客がコロナ前以上にハワイを訪れていたため、州知事が旅行の自粛を呼びかける発表を行った。
パンデミック以来最大の感染の波に襲われ、感染者数が一向に減らなかったこの時点では、ホノルルマラソンのような数万人規模の大型イベントの開催は不可能だと誰もが思っていただろう。だが、日本と同様、10月になるとその波も少しずつ落ち着いてきた。
これに伴い、ハワイ州政府は規制緩和に向けて検討を開始。ホノルル市長は10月13日、ワクチン接種を完了した人を対象に、スポーツやコンサートなどの大型イベントの開催について、最大1000名または収容人数の50%を上限に許可。ハワイ州知事は、11月1日より再び「観光客の訪問を歓迎する」と発表した。
2021年のホノルルマラソン 開催の条件は
ホノルル市長の発表で、ロードレースやトライアスロンの大会については、「参加者は最大500人、スタートは25人以下のグループで時間差で行う」ことを条件に、開催が許可された。つまりこの時点では、ホノルルマラソンを行えたとしても、参加者数は例年の2%以下と大幅に規模が縮小されることになる。
ホノルルマラソンは主にランナーの参加費によって運営が行われており、主催者は「これでは、経済的に実現不可能だ」と述べ、依然としてホノルルマラソンの開催が危ぶまれる状態が続いていた。
しかし10月27日の会見で、ホノルル市長が大幅なイベント規制の緩和を発表。ロードレースやトライアスロンについては、参加者がワクチン接種を完了し、200人ずつの時差スタートを設けることで、参加者の人数制限が撤廃となった。