2年ぶりのホノルルマラソン開催決定 人数制限なし、時差スタートへ


この会見を受け、翌日、ホノルルマラソンは公式ウェブサイトで「2021年の大会開催が正式に許可された」と発表。開催内容の詳細としては、以下のようなことが明記されている。

・参加者はワクチン接種証明書を提示する
・レース中のマスクの着用は不要だが、スタートとゴール地点では着用が推奨される
・25カ所ある給水所のうち16カ所はセルフサービスで対応
・自動給水機の給水所を追加で設置
・希望者へのマスク配布

2020年は大会が中止となり、バーチャルで参加できるイベントが行われるのみだったが、2年ぶりの開催がようやく現実味を帯びてきたようだ。直前まで細かい変更が生じる可能性はあるが、スタート時には花火が打ち上げられる盛大な大会が再び行われることは、現地住民にとっても喜ばしいニュースになる。


 仮装してレースに挑む者たち(Photo by Allen.G/shutterstock.com)

懸念事項は、アメリカ入国条件の強化


大会の開催自体が不確定だったコロナ禍で、日本からハワイを訪れてホノルルマラソンに参加する人は、ごく一部に限られると予測される。第1回のエントリーでは、日本からの登録者は200人にも満たなかったと報じられている。

これに追い打ちをかけることとなったのが、アメリカの入国条件の強化だ。アメリカ政府は11月8日より、入国する外国人にワクチン接種証明書の提出を義務化。さらに出発3日前までに新型コロナの検査を受けて、陰性証明書を提出しなければならない。

それまで日本からハワイを訪れる人は、出発72時間前に検査を受けて陰性証明書を提出すれば、自己隔離が免除されており、ワクチンの接種は必須ではなかった。つまり、ハワイを訪れる日本人にとっては、実質的な入国条件の強化となる。

まだ日本に帰国する際の隔離措置は撤廃されていないが、それでも日本航空や全日本空輸などの主要航空会社は、年末年始のハワイ直行便を増便する計画を発表しており、今後ハワイ旅行を検討している日本人が一定数いるものと予測される。すると、このワンクチン接種義務化は、ハワイ旅行へのハードルを上げるものとなっていくかもしれない。

ちなみに、ハワイのワクチン接種率は、1回目を終えた人が83.2%、2回とも終了している人は72.0%(11月11日時点)。オアフ島に限ってみれば、10月末時点で、ワクチン接種が可能な人口のうち95%が1回目のワクチンを終え、86%が2回摂取を完了していると発表されており、接種率の高さは全米でトップクラスだ。

各種の規制はあっても、日本で認知度の高いホノルルマラソンが2年ぶりに開催されることになれば、新型コロナと共存しながら安全に海外旅行を楽しめる場所として、ハワイが脚光を浴びることは間違いない。ハワイの観光業はアメリカ本土からの観光客によって少しずつ回復してきているが、日本人を対象にしたビジネスの多くは、いまだに苦戦を強いられている。ホノルルマラソンによって、その道筋に光がさすきっかけとなることを期待したい。

文=佐藤まきこ

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