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(C)Ecosia

「検索する度に、木を植えて社会貢献ができるエコな検索エンジン」を生み出したのが、ドイツのベルリンのスタートアップのエコジア(Ecosia)だ。2009年に始動したエコジアは、広告収入の80%を植林や森林再生活動を行う団体に寄付しており、月間アクティブユーザー数は1500万人。今年の年間収益は2900万ドルを見込んでいる。

エコジアは、英グラズゴーのCOP26気候サミットの開催を控えた10月末に、4億500万ドル(約460億円)規模の気候変動対策ファンド「ワールドファンド(World Fund)」の立ち上げを宣言した。このファンドは、二酸化炭素排出量の削減を目指す交通分野やエネルギー関連企業、食品関連のスタートアップを支援する。

エコジアのCEOのクリスティアン・クロールは「我々のゴールは、気候変動の問題を解決することだ」と、10月26日にCNBCに語った。

ワールドファンドは、すでに目標額の半分以上の出資を獲得しており、出資元にはドイツの旅行サイト「トリバゴ」の創業者のロルフ・シュレムゲンスや、サッカー選手のマリオ・ゲッツェなどが名を連ねている。同ファンドは、気候変動対策のVCファンドとしては、欧州で最大規模となる。

「我々が投資対象とするのは、気候に大きな影響を与える技術に限られる。CO2などの温室効果ガスの排出量を、年間100メガトン以上削減できるテクノロジーに限定し、出資をを行っていく」と、ワールドファンドの創業パートナーのダニジェル・ヴィセヴィッチ(Danijel Višević)は述べている。

ヴィセヴィッチによると、ワールドファンドでは、エンジニアや科学者から成る専門家チームが投資対象のデューデリジェンスを行い、CPP(Climate Performance Potential)と呼ばれる指標を用いて、各社のテクノロジーを評価するという。

「ヨーロッパではサイエンス分野の人材が、スタートアップやベンチャーキャピタルから離れた場所に居るため、気候変動対策テクノロジーへ出資が滞っている」と、ヴィセヴィッチは述べ、その状況を変えていくのがワールドファンドの使命だと語った。

ワールドファンドはまず、食品分野への出資に注力しており、最初の投資先には、植物由来の代替肉を製造するスロベニアのJuicy Marbles社や、カカオ栽培による森林破壊を軽減する代用チョコレートを生産する企業などが含まれるという。また、物流やエネルギー関連への出資にも意欲を見せている。

「欧州のベンチャーキャピタルのうち、気候変動対策分野に投資しているのはわずか5%で、この分野に注がれる資金の3分の1は北米やアジアからのものだ。我々は、欧州のVCのロールモデルとなり、この分野の投資をリードしていく」と、ヴィセヴィッチは語った。

編集=上田裕資

環境問題

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