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Photo by Nathan Stirk/Getty Images

米アマゾンのアンディー・ジャシー最高経営責任者(CEO)が、企業での働き方をめぐってゲームチェンジャーになりうる決定をした。

ジャシーは11日、全社員向け文書で、ホワイトカラーの専門職について、リモートで働くかオフィスに出勤するか、あるいは週2、3回出社してそれ以外は在宅で働くかなど、勤務形態を社員側が選べるようにすると明らかにした。決め方は分散化し、各チームリーダーが判断してディレクタークラスの幹部の承認を受ける仕組みにする。

ほかの大手企業と同様に、アマゾンもこれまで、新型コロナウイルスのデルタ株の流行を受けてオフィス勤務の再開時期を何度か先送りしてきた。当初は今年9月に社員をオフィス勤務に戻す計画だったが、その後来年1月に延期していた。

ジャシーはアマゾンのブログで「出勤日を誰が決めるのか、チーム全体が同じ日に出勤する必要があるのか、あるいは在宅とオフィスを比べた場合、どちらかのほうが効率的に働ける部門やチームがあるのか」など、社員が疑問をいだいているのは承知していると説明。「すべてのチームが最も効果的に働ける万能のやり方はない」とし、当面、実験と学習、調整を続けていく考えを示した。

勤務形態の判断はチームリーダーに委ねられるが、注意事項もひとつある。ジャシーは、どのような決定をする場合も顧客の利益に留意するよう求めている。

アマゾンは現在、米国で約4万人を採用する計画を進めているだけに、柔軟な働き方の提供は時宜を得たものと言える。厳しい人材獲得競争が続くなか、優秀な人材を引き寄せるのに役立つほか、社員をつなぎ止めるのにも効果を発揮するとみられるからだ。

ただ、こうした動きにはマイナスの影響も予想される。大都市圏の大型オフィスビルの周辺には、レストランやバー、ジム、映画館、ネイルサロン、個人商店などが集まる。オフィスで働く人が減れば、こうしたビルに通勤してくる人たちを大きな収益源としている店や施設は経営が立ち行かなくなるかもしれない。

アマゾンは世界で最も高く評価されている企業のひとつであり、他社から参考にされることも多い。アマゾンがリモート勤務、オフィス勤務、両者のハイブリッド勤務を選べるようにすれば、それに続く企業が出てくると考えるのが自然だろう。

編集=江戸伸禎

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