経営者のブレない発言一貫度と有言実行力をAIでスコア化。その名も「発言一貫度ランキング」である。つまり、社会や社員に対して、経営陣の誠実さや意気込みの「本気」を計測しようというものだ。
そんなのスコア化できるのか? そう疑問に思う人も多いだろう。まず、東証一部上場企業のなかで、時価総額TOP300を抽出。AI企業「サステナブル・ラボ」が、統合報告書、サステナビリティレポートなど開示資料から「トップメッセージ」の直近5年における「発言の一貫度」を、自然言語処理モデルを活用しスコアリングした。
ただし、「環境」や「社会貢献」など口当たりのよい言葉を連呼してもハイスコアは出ない。5年間、ブレずに文脈が一貫しており、実行力を伴っているのかが問われる。そうして算出したTOP20のうちTOP5を先行して紹介しよう。以下のランキングを見て、何か気づく点はあるだろうか?
発言一貫度ランキング
*カッコ内はスコア、時価総額順位
1位 ユニ・チャーム (65.015 | 54位)
2位 セコム (64.423 | 82位)
3位 凸版印刷 (63.354 | 224位)
4位 東海旅客鉄道 (63.255 | 43位)
5位 SMC (62.107 | 31位)
共通するのは、ステークホルダーの多さだ。消費者、取引先、地域住民、官公庁、研究機関、金融機関、従業員などなど、もともとステークホルダーが多く、信頼を勝ち得ないと生き残れない業種である。鉄道、建設など公共インフラに関わる企業がTOP20に目立つのもそのためだ。また、1位のユニ・チャーム、3位の凸版印刷、5位の産業用空気圧機器で世界シェア38%を誇るSMCは、グローバル市場の厳しい土俵で勝負しているため、消費者や取引先の目は当然甘くない。生存競争が厳しい世界に身をおいていることも要因だろう。