新型コロナウイルスの長引く後遺症について、これまでで最長期間の約6カ月間にわたり実施された研究が発表された。この研究によると、重体患者または入院を要した患者の3分の2が、感染以降消えることのない症状を何かしら抱えていることがわかっている。
医師たちは昨年、長期間続く症状に苦しむ患者が大勢いることに気づいた。命にかかわる病に罹患して長いこと経ってもなお、痛みや不安といった症状が患者を苦しめ続けていたのだ。現在、このような病態は「長期コロナ感染症(Long Covid)」と呼ばれている。
時が進むにつれて、長期コロナ感染症を探る研究は増えていった。しかし、持続する症状に関する臨床データはほぼ皆無であり、症状に対する治療法についても検討のしようがなかった。
その矢先のことである。医学誌「ランセット」に、新たな研究が発表されたのだ。これまでで最も長い期間を対象とした長期コロナ感染症とその症状に関する研究である。この研究では、中国で約1700名の患者からデータを収集しており、約6カ月間にわたり全患者の追跡調査を実施した。
研究論文の責任著者であるビン・チャオ教授は、「新型コロナウイルス感染症はとても新しい疾患なので、我々はようやく患者に対する長期的な影響を理解し始めたところです」と述べ、「我々の解析結果は、ほとんどの患者が今もなお、多少なりともこのウイルスの影響を受けながら暮らしており、特に重度の感染症状を呈した患者には、退院後のケアが必要であることを示しています」と続けた。
新型コロナウイルス感染症の患者に、最も共通して認められる持続的な問題は、倦怠感と筋力の低下である。これらの症状は、患者の約63%に認められ、新型コロナウイルス検査で陰性と確認されてから長い時間が経過しても患者を苦しめ続けているという。このほか、ほとんどの患者が不眠やうつ状態も訴えていた。