回復患者の胸部画像にひそむ? 「長期コロナ感染症」の恐怖

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新型コロナウイルス感染症の長期的影響を探っている他の研究では、患者の肺を徹底的に検査し、そのうちの約50%の胸部画像に異常があることを明らかにしている。

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チャオ教授は、「我々の研究では、もっと大規模な集団で、より長期の追跡調査を実施することの重要性も浮き彫りにしました。新型コロナウイルスが人々に与えるおそれのある影響を、隅々まで理解するために必要なことです」と述べた。

新型コロナウイルス感染症の長期的な影響は、時間をかけて明らかになっていくだろう。キングス・カレッジのフランシス・ウイリアムス教授は、ウイルスの直接的な影響と長期的な影響を見極めるにはまだ時間がかかるだろうと述べた。しかも、このウイルスが公衆衛生に及ぼす影響は、10年単位ではないかもしれないが、少なくとも年単位で長引くという。

また、ウイリアムス教授は、学者や研究者の記事を掲載するWebサイト「The Convesation」で次のように綴った。「昨年は、本当に多くのことが起こりました。私たちは、絡まった糸を解きほぐす必要があるでしょう。つまり、ウイルスそのものが根幹に影響を与えていることと、パンデミックによって社会が混乱に陥ったせいで生じたことを分けなければなりません」。

さらに、「とにかく今明らかなことは、新型コロナウイルス感染後に認められる長期的な症状が多数存在していることです。長期コロナ感染症の原因解明とその治療法の究明は、アウトブレイクの終息後も、長きにわたって必要となる可能性が高いと考えられます」とも付言している。

(本記事は、英国のエンジニアたちが立ち上げたテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」からの翻訳転載です)

翻訳=上林香織 編集=石井節子

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