しかしそうしたスキルは、リモートワークやハイブリッド勤務が定着しつつあるなかで、すべてのリーダーが身に着けるべきものとなっている。十分な準備を行い、適切な姿勢で臨めば、画面越しの会話であっても、対面で話した場合と同じ効果が得られるだろう。
以下では、こうした「難しい会話」を行うために必要なポイントを紹介していこう。
カメラは必ずオンにする
非言語的なサインは、口から発せられる言葉と同様に重要なので、カメラをオンにするのは絶対条件だ。自分の姿を画面に映すことで、責任をもって会話に集中するという意思表示にもなる。
そして、背景はぼかすようにしよう。そうすれば、背後に映っている景色に目が行かず、お互いに相手に集中できる。背景をぼかすことで、視覚的な邪魔が排除され、気が散りにくくなる。
セルフビューを非表示にする
会話中は、相手の顔がつねに画面に映るようにする一方で、自分の顔は見えないようにするべきだ。対面で話をするときは、自分自身の姿を見ることはできないのだから、画面越しの会話でも、自分の顔を見る必要はない。
セルフビューについては、通話を始める前にチェックしよう。カメラのアングルは適切か、歯に食べ物がついていないか、背景に余計なものが映り込んでいないかを確認する。それからセルフビューを非表示にすれば、通話時には相手だけに集中できる。
ボディランゲージや非言語的なサインに注意する
相手が目の前に座っていても、ジェスチャーやボディランゲージを読むのは容易ではない。それが画面越しとなれば、輪をかけて難しくなる。相手のボディランゲージに細心の注意を払い、反応を読もう。
会話中には、相手の身振りや手振り、声の調子が変化していないか、注意していよう。姿勢を変えたり、もぞもぞしたり、視線をしきりに下や画面の外に向けたりする様子がないか気を付けよう。また、質問に対してあっさりひと言で回答したり、口調が変化したりしていないか、よく耳を傾けること。
相手だけでなく、自分のボディランゲージや口調についても、意識する必要がある。できるだけ冷静さを維持し、感情に流されないように気を付けよう。話し合い中に収拾がつかなくなってきたと思ったら、ひと息つくのが一番だ。タイマーを5分後にセットし、参加者全員にカメラをオフにするよう伝え、深呼吸をしてから、改めて話し合いを始めよう。