ソウルに拠点を置くネットマーブルは、「今回の買収で当社のゲームのラインナップを拡充することで、グローバル展開を継続できる」と述べている。
台湾のテクノロジー系コンサルタントのショーン・スーは、「ネットマーブルがSpinXを買収するのは、アジアのギャンブル市場が巨大で、大きな収益が見込めるからだ」と述べた。
2014年設立のSpinXは、「Cash Frenzy」や「Lotsa Slots」、「Jackpot World」などのゲームで知られている。ネットマーブルのCEOであるLee Seung-wonは声明で、「ソーシャルカジノは世界的に継続的な成長を示しており、このジャンルのリーディングカンパニーの一つであるSpinX Gamesを買収できて非常に喜ばしい」と述べた。
IDC のアジア太平洋部門のクリス・マーシャルは、「SpinXは急速に成長している」と述べ、ネットマーブルが同社を買収したのは、競争の激しい韓国のゲーム市場を超えて事業を拡大するためだと語った。
「ネットマーブルが競争力を維持するためには、グローバルなプレゼンスを強化し、事業を多様化する必要がある。今回のSpinXの買収は、そのための1つのステップだ」とマーシャルは分析した。
アナリストたちは、パンデミックを受けて、ゲーム分野での提携が増えると予想している。直近の事例としては、中国のテンセントが英国のゲーム開発会社Sumoを12億7000万ドルで買収すると発表したことがあげられる。また、ソーシャルゲーム会社のZyngaやデジタルエンタテインメント企業のElectronic Artsも他社の買収を発表している。
調査会社Strategy Analyticsによると、世界のゲーム市場は、昨年の1500億ドルから2025年には2500億ドルに成長すると予想されている。アジアにおけるモバイルゲームの月間アクティブユーザー数は、今年から2025年までの間に4.9%の複合年間成長率で増加するとIDCは予測している。
IDCのマーシャルは、「ゲーム業界は好況を追い風に、M&Aを活発化させている」と述べ、今後4年間で高額の買収案件が増えると予想した。