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韓国の現代自動車とLG化学は7月29日、インドネシアにEV(電気自動車)用バッテリー工場を建設すると発表した。投資総額は11億ドル(約1200億円)で、両社が50:50の比率で出資する。インドネシアは、世界最大のニッケル埋蔵量を誇り、現代とLGはそれをEVバッテリーに活用する計画だ。

現代自動車の発表によると、合弁会社の工場の建設はカラワン県で年内に始動し、2024年にバッテリー製造を開始する。年間生産能力は10ギガワット時で、15万台のEVの電池需要を賄えるという。

33万平方メートルの敷地に建設される工場は、現代自動車とその子会社の起亜自動車のEVが、「競争力のある価格」を実現する上で役立つとされている。インドネシアには広大な鉱山があり、安価なニッケルを豊富に供給できるとアナリストは述べている。

調査会社IHS Markitのアジア太平洋地域の主任エコノミストのラジブ・ビスワスは、「インドネシアのニッケル生産量は2014年以降に急速に増加しており、中国に次ぐ世界第2位の生産国になった」と述べている。現地の鉱山のニッケルラテライト鉱石は、リチウム電池の原料として利用できる。

「世界の投資家は、各国の政府がガソリン車から電気自動車への移行を加速させていることから、EVバッテリー向けのニッケルの需要は今後も高まると考えている」と、ビスワスは述べた。

インドネシアの鉱山会社は、EV用バッテリーをターゲットにした新規プロジェクトへの多額の投資を計画している。東南アジアでのニッケルの採掘は、オーストラリアやカナダなどに比べてコストを低く抑えられるという。

ビスワスによると、インドネシアのメーカーはインフラのボトルネックに直面しており、特に海港のキャパシティの低さが、輸出だけでなく原料の輸入コストの上昇につながっている。

調査会社Guidehouse Insightsの担当者によると、現代とLGのインドネシアの工場は、輸送時のリスクが高いとされるEV用バッテリーを、車両の製造拠点の近くで生産することで、韓国の自動車メーカーの競争力の向上に役立つという。

EV市場としても成長するインドネシア


「ニッケルは、北米を含む世界各地で一般的な材料だが、電池やEVの製造拠点に近い場所で調達できれば、コストが抑えられる。インドネシアは、現代自動車がかなりの販売台数を誇る東南アジアやオーストラリア、ニュージーランドなどの市場にも近い」と、Guidehouseの担当者は述べた。

インドネシアのEV市場の規模は、2019年に3億6400万ドルだったが、2025年には8億ドルを突破するとResearchAndMarketsは予測している。インドネシア政府は近年、温室効果ガスに対する懸念を高め、国内のEV製造にインセンティブを与えている。

現代自動車は、他の自動車メーカーと同様に、ここ数年、バッテリーの供給不足に悩まされており、米国での販売台数の制限を余儀なくされているとされる。

現代自動車は、将来的にEVの生産量を増やすことを目指しており、同社のパートナーのLGエネルギー・ソリューションは、GMやテスラのEV車両にも電池を供給している。

編集=上田裕資

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