キャリア・教育

2021.08.12 07:30

社会人の学び直しに「給付制度」と「特定控除 」、申請漏れで200万円損も?

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実際のキャッシュアウト 【年収別・学費別】表をチェック


【1】【2】【3】を利用すると、最初に年間150万円の学費を払ったとしても、実際のキャッシュアウトは、150万円−40万円−2万8千円−2万8千円−16万円=88万4千円となる。
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以下、税金の計算が絡むので、若干分かりにくい部分も多いが、年収別、学費別に例を上げると表のようになるので、参考いただきたい。

・表1

履修期間:1年間、学費:年150万円のケース
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単位:万円 

▲は給付、還付または軽減を意味


表1

・表2

履修期間:2年間、学費:年300万円(計600万円)のケース

単位:万円

▲は給付、還付または軽減を意味

null
表2

表1では僅かだが年収400万円のケースがキャッシュアウトが一番多い。一方、表2では、年収1000万円のケースが一番キャッシュアウトが少ないことが分かる。

なお、【1】【2】【3】は、黙っていても義務が発生する納税とは逆に、自分で動いて申請・申告しないと何も起こらないから注意が必要だ。そして、制度を利用して学んだ知識や経験は、学習者の一生の資産となるが、当然非課税だ。

~ご注意~
・ほとんどの場合、学費は入学時、学期初めに払う必要があり、手元資金が必要になる。
・表1及び表2は一般的な控除である社会保険料と基礎控除を加味している。
・ある年の4月に学費を払ったら、最終的に上記の収支が完了するのは翌々年の5月になる。
・キャッシュアウト・インに時差がある点について、DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)等の補正をかけることは割愛している。
・【1】及び【2】の申請には、所属会社による書面への押印が必要になる。管理部門への申請・連携が必要になる。


~参考~
・教育訓練給付制度, ハローワークインターネットサービス ・タックスアンサー No.1410 給与所得控除, 国税庁
・タックスアンサー No.1415 給与所得者の特定支出控除, 国税庁
・平成28年分以後の所得税に適用される給与所得者の特定支出の控除の特例の概要等について(情報)【第2質疑応答編, 国税庁】




曽根康司◎キャリアインデックス執行役員社長室長。原宿と下北沢で時計店を経営したのち、時計輸入商を経て、インターネット業界へ。焼肉探究集団ヤキニクエストのメンバーでもあり、全国数百件の焼肉店を食べ歩いている。2021年3月、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程EMBAプログラム修了、経営学修士(MBA)。

文=曽根康司 監修=山本鑛一会計事務所公認会計士 山本敬二郎 編集=石井節子

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