この割合は前年には35%だった。以後、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に見舞われた1年のうちに、ストレスを感じている人は世界全体でおよそ1億9000万人増えた計算になる。
不安やストレスだけでなく、悲しみを感じた人の割合(27%)や怒りをおぼえた人の割合(24%)も過去最高だった。一方で、身体的な痛みを経験した人の割合は10%弱と、前年から2ポイントほど下がった。
国・地域別にみると、ネガティブ経験度が最も低かったのは台湾で、ギャラップの指標では13。逆に最も高かったのはイラクの53だった。イラクでは、痛みがあった人が全体の56%、悲しみを感じた人は50%、怒りにとらわれた人も51%と、いずれも過半数を超えていた。
米国のスコアは全体のほぼ平均にあたる32で、ガーナやボスニア・ヘルツェゴビナ、ミャンマーと同水準だった。
ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)やロックダウン(都市封鎖)、リセッション(景気後退)は、多くの人のメンタルヘルスにネガティブな影響を与え、治療やリソースへのアクセスも難しくしたとかねて指摘されてきた。
ストレスを感じた人の増加にパンデミックがかかわっているのはまず間違いないが、ギャラップは、ネガティブな感情にとらわれる人の割合はここ10年上昇傾向にあるとも述べている。イラクやレバノン、ペルーのように、そうした感情の人が多い国は政治や社会の混乱が続く国でもある場合が多い。