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2021.07.13 17:00

日立アステモが実用化目指す、LiDARを超えるセンシング技術

(c) Light

一般的にはあまり知られていない2つの企業が、先進運転支援システム(ADAS)のための新しい深度測定方法を評価するために提携し、2020年代半ばの製品化を目指している。日本の日立アステモは、サンフランシスコに拠点を置くスタートアップLight社と提携し、LightのマルチカメラClarityによる深度計測のテストプログラムを開始する。

日立アステモアメリカが7月12日に発表した。

Lightは、2010年代の半ばに「L16」という興味深いカメラを開発し、2018年7月にソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)が主導する資金調達ラウンドで1億2100万ドル(約136億円)を調達していた。アンドロイドを搭載したL16は、異様に厚みのあるスマートフォンのような外見で、背面に16個のレンズとカメラセンサーを搭載していた。

L16は、撮影後にピントや構図を変更するコンピュテーショナル・フォトグラフィーを実現しようとしていた。Lightは最終的にこのカメラの開発を断念したが、その技術をADASやADS(自動運転システム)に応用することにした。

このシステムは、1000mまでの距離を正確に測れるように設計されている。ほとんどのADSは、正確な距離測定のためにレーダーやLiDARなどのアクティブセンサーに依存している。

モービルアイ(Mobileye)などの企業が提供するADASの多くは、1台のカメラを使用し、ターゲットを認識してピクセル単位でサイズを測定することにより、ターゲットまでの距離を推定しようとしているが、これは、非常に当たり外れの大きいシステムだ。テスラなどが採用するマルチカメラシステムも、焦点距離の異なる3つのレンズを使用しているため、課題を抱えている。

Lightの取り組みに類似したものとしては、日立オートモティブが開発し、スバルがEyeSightシステムに採用したステレオビジョンシステムが挙げられる。EyeSightでは、2台のカメラを約12インチ離して設置し、距離を計算するための視差を確保している。しかし、これらのカメラは近接しているため、正確な長距離のセンシングは不可能だ。

Lightシステムでは3台のカメラが使用され、外側のカメラはフロントガラスのコーナー付近に3フィート以上の間隔で設置され、中央に1台が設置されている。中央のカメラと外側のカメラのいずれかを組み合わせることで、近距離の正確な測定と安全性向上のための冗長性を確保している。
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編集=上田裕資

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