As Mobile Economist at TUNE, I forecast and analyze trends affecting the mobile ecosystem.

Omer Keilaf CEO (c) Innoviz Technologies

テスラのCEOのイーロン・マスクは、自動運転テクノロジーを開発する多くの企業が採用するセンシング技術のライダー(LiDAR)に否定的なことで有名だ。2019年4月にテスラが初開催した自動運転をテーマにしたイベントAutonomy Dayで、マスクはライダーに頼る人々は愚か者で、この技術を採用する企業は破滅するだろうと語った。

ライダーを開発する企業のCEOたちは、もちろんマスクの見方に反対だが、「マスクが全く間違っている訳ではない」と話す企業のトップも存在する。

「今から5年前、マス向けの市場に送り出す自動運転車を開発しようとした場合、手頃な価格のライダーは存在しなかった。しかし、今では状況が変化している」と、イスラエルのライダー企業「イノヴィズ・テクノロジーズ(Innoviz Technologies)」のCEOのOmer Keilafは話す。

Keilafは先日、筆者が運営するポッドキャスト番組TechFirstに出演し、ライダー業界の現状について語ってくれた。

彼によると、以前は数万ドルもしたライダーコンポーネントが、今ではわずか1000ドルになっており、今後は500ドルや100ドルまで下がる可能性があるという。イノヴィズは昨年末にSPAC(特別買収目的会社)との合併によって上場し、3億5000万ドル(約37億円)を調達する計画を発表したが、同社のようなスタートアップは今、ライダーの低価格化に取り組んでいる。

BMWなどのイノヴィズの顧客企業も、自動運転車にとってライダーがベストな選択肢であると考えている。イーロン・マスクはカメラを用いた自動運転システムを推進しているが、悪天候下では雨滴や泥などが、コンピュータビジョンの妨げになる場合が多い。

しかし、ライダーシステムは悪天候の影響を受けないとKeilafは述べている。

「視界を確保できない場合、カメラベースの自動運転システムは機能しない。最先端のレーダーであっても、必要な解像度をはるかに下回っている。つまり、選択肢としてはライダーしか無いということだ」

アップルもLiDAR企業と協議中


イノヴィズが開発したInnovizOneは、車のグリルに取り付けるソリッドステート型のライダーで、10センチの物体を250メートル離れた場所から検知でき、1秒間あたりのフレーム数は5から20で、高速での走行にも十分対応可能という。Keilafによると最も重要なのは解像度だという。

自動運転車両のビジュアルシステムが人間の視覚を上回る能力を発揮する中で、Occuliiのようなレーダーを用いたシステムの性能も飛躍的に進化したが、ライダーの支持者たちは、このテクノロジーこそが、解像度やレンジ、悪天候下での耐久性の面で、ベストなテクノロジーだと述べている。

編集=上田裕資

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