ファイザー新型コロナワクチン、デルタ株には有効性が低下?

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例えば、イスラエル保健当局は今回の調査結果の公表にあたり、使用したデータや調査方法を明らかにしていない。

また、モデルナとジョンソン・エンド・ジョンソンが自社のワクチンに関する調査で対象としたのは、非常に限られた数の血液サンプルであり、実験室におけるその反応を調べただけだ。透明かつ検証可能な方法でより多くのデータが収集されるまで、こうした調査結果は、決定的なものとみなされるべきではないだろう。

ただ、ほぼ完全にデルタ株によって引き起こされている新たな感染の波に直面し、さらにパンデミックの発生を受けて実施してきた行動制限をすべて解除しようとしている英国は、その他の国々に貴重な情報を提供してくれるものとなりうる。

今後の注目点


アストラゼネカ、ファイザー、モデルナなど新型コロナウイルスのワクチンを製造するメーカーの大半はすでに、時間の経過で薄れていく免疫力を引き上げるため、そして新たに出現する変異株に対応するためのブースターショット(免疫強化のための追加接種)の開発を進めている。

今のところ、接種完了後のどの時点でブースターショットが必要になるかは不明だ。また、ブースターとしてどのメーカーのワクチンを使用すべきか、すでに接種したワクチンとは異なるメーカーのものを「組み合わせて」接種する方がブースターとしてより効果的であるのか、といったことについても明確にはなっておらず、複数の研究が行われている。

こうした状況の下、世界保健機関(WHO)はワクチン接種を完了したすべての人に対し、引き続きマスクを着用するよう呼び掛けている。

編集=木内涼子

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