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ゼブラ アンド カンパニーの代表取締役(左から)田淵良敬、阿座上陽平、陶山祐司

スタートアップ業界において憧れの動物は「ユニコーン」かもしれないが、この数年、「ゼブラ」が奮闘している。ゼブラは、ユニコーンが架空の存在であるのに対して実在する現実的なものであり、白と黒をあわせ持つことから、“利益”と“社会改善”の両立の象徴ともされている。

米「Zebraz Unite」が2016年に提唱し始めたこのコンセプトを広めるべく、日本では2019年11月に「Tokyo Zebras Unite」が始動。それから約1年半の時を経て、「ゼブラ アンド カンパニー」が誕生。今回、約1億円の資金を調達し、ゼブラ企業への投資、経営参画、理論の体系化など、本格的に事業を開始する。

共同創業者の一人で、長年インパクト投資に携わってきた田淵良敬は、「ゼブラはユニコーンと敵対する考え方ではない。適した場所に、適した資金がいく社会にしていきたい」と意気込みを語る。

では、ゼブラとはどんな考え方で、彼らは具体的に何をしていくのか。

VC投資への疑問とゼブラとの出会い


田淵は、2013年頃から投資、なかでも社会起業家へのインパクト投資に従事してきた。当時、米国では、ベンチャーキャピタル(VC)が主導するスタートアップ投資の全盛期、ユニコーン(評価額10億ドル以上のスタートアッップ)という言葉が出始めた頃だった。

そして、社会起業家にも「同じくVC投資の手法をあてはめればうまくいくのでは?」というのが世界共通の仮説として動いていた。

しかし、続けていくほどに、田淵は「社会起業家が求めている資金の性質と、投資側の考えるそれが違う」ことに違和感を感じるようになった。社会起業家は、株主だけでなく、従業員やサプライヤー、地域コミュニティなど多くのステークホルダーを大事にしている。また、時間軸としても、VCが求めるような短期的な上場や急成長を望んでいないからだ。



そんな思いを抱きながら、18年4月、英オックスフォードで開催された社会起業家向けのイベント「スコールワールドフォーラム」に参加。社会イノベーションの専門家が集まる場で、「投資の供給のミスマッチについて言い歩いていたら、多くの共感を得た」という。Zebras Uniteのファウンダーと出会い、その考えに未来を感じたのもこのときだった。

連絡を取り続けているうちに、日本でも展開したいという思いが強くなり、19年11月に「Tokyo Zebras Unite」を立ち上げた。日本は欧米に比べてインパクト投資が5〜10年ほど遅れており、ようやくVC投資をあてはめようとした頃。ゼブラとネットで検索しても、結果はボールペンの会社で埋め尽くされていた。

編集=鈴木奈央 写真=ゼブラ アンド カンパニー提供(澤圭太 撮影)

起業家インパクト投資

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