マスラニは12日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル主催のイベント「フューチャー・オブ・エブリシング」に参加。その際、従業員のエンゲージメントとリモートワークを希望するか否かは関係があるとし、「会社に対するエンゲージメントの非常に高い従業員が、少なくとも3分の2の時間をオフィスで勤務したいと希望していることは明らかだ。一方でエンゲージメントの低い従業員は、リモートワークを好む」と述べた。
彼のコメントは、リモートワーク中の人々をばかにしているだけでなく、全くの誤りだ。筆者が創業したリーダーシップIQがリモートワーカー3706人を対象に実施したリモートワーク実態調査によると、23%が完全なリモートワークを希望し、39%は週に3〜4日間のリモートワークを望んでいる。一方で完全オフィス勤務を希望する人は、わずか9%だった。
自宅勤務が実際に気に入っている人が一定数存在するのは、なぜだろう? 理由は多くあるが、以下にいくつか挙げてみる。
第1に、59%がリモートワークはワークライフバランス向上に大きく貢献または少し貢献すると答えている。通勤時間だけを考えても、1日1〜2時間の無駄な時間を節約することがワークライフバランスの改善に役立つことは、想像に難くない。
また、リアルタイムでの対応が必要ない業務が一部でもある従業員にとって、リモートワークは勤務時間を調整して仕事とプライベートとの程よいバランスを取るための無数の機会を提供してくれる。
第2に、53%の従業員が、リモートワークでは生産性が向上すると答えている。逆に、オフィス勤務で生産性が高まるとの回答はわずか25%だった。
無用な会議や、何度も仕事の邪魔が入ってしまう経験は、おそらく誰にでもあるだろう。これはリモートワークでもあり得ることだが、企業が管理方法を心得ていれば、リモートワーク中の妨害は容易に防ぐことができる。(同僚があなたの自宅のキッチンに押しかけることは難しいだろう)
第3に、同様の理由により、リモートワークは創造性を高めると答えた従業員は39%だった。一方で創造性が高まるのはオフィス勤務の方だと答えた人は23%だった。