アメリカ国内からの3〜4月のハワイ訪問客数を見てみると、コロナ前の2019年は1日2万人〜2.5万人ほどだったのに対し、最初のロックダウン中だった2020年は1日200~300人まで激減。しかし2021年は1.5万人~2万人ほどとなり、2019年対比で90%以上まで達している日がある。つまり、アメリカ国内からの訪問客に限ってみれば、ハワイの観光業はコロナ前の水準近くまで回復しつつあるのだ。
日本人訪問客の姿は依然として皆無。その要因は
しかし、現在ハワイを訪れているのはアメリカ国内の人々で、日本を含め海外からの訪問客はほとんど見かけない。ハワイを訪れる人を国別に見ると、新型コロナウイルス感染拡大前はアメリカに次いで2番目に多い国が日本だ。それにも関わらず、日本人訪問客がハワイを気軽に旅行できない要因として、3つのことが考えられる。
アメリカは海外との往来を歓迎していないようだ(GettyImages)
最も高いハードルとなるのが、日本に帰国する際に義務づけられている検疫と検査だ。日本を出発しハワイに到着する際は、上述の「ハワイ州事前検査プログラム」を利用すれば、自己隔離無しにハワイでの滞在を楽しめる。しかしハワイから日本に帰る際は、日本の水際対策として海外からの入国者に対し実施されている、72時間以内の検査証明に加え、14日間の自己検疫が必要となる。仮に1週間のハワイ旅行を計画しても、帰国時の2週間の自己検疫を加え合計3週間もの期間がかかるとなれば、仕事や日常生活への影響は避けられない。
2つ目の要因として、アメリカ国務省が2020年4月19日、世界で新型コロナウイルスの感染が拡大していることから、最も警戒レベルの高い「レベル4(渡航中止勧告)」の対象国を、それまでの34カ国から世界の約8割の国まで拡大すると発表したことが挙げられる。アメリカ国務省のウェブサイトによると、日本はこの約8割の国には含まれず、「レベル3(渡航を再検討)」になっている。だが、アメリカ側が他国間の往来を歓迎していないことは、懸念事項のひとつと言わざるを得ないだろう。