ペイパルの共同創業者として知られるティールは、自らを逆張りのテック投資家と称している。彼は、アルファベットが中国でAI(人工知能)の研究を行っていることや、アップルが製造を中国に依存していることを公然と批判している。
米国のテクノロジー企業における中国の影響力の「浸透」を阻止するために、議員は何ができるのかと問われたティールは、「企業に圧力をかけ続けることだ」とアドバイスした。
2005年からフェイスブックの取締役を務めているティールは、同社の従業員の構成が、中国に対して厳しい態度をとることを難しくしていると指摘した。彼は、2020年に起きた香港の民主化デモの際に、フェイスブックの内部で起きた議論を例に挙げ、同社の社内の政治力学について説明した。
「香港出身の社員らは、デモや言論の自由に賛成していたが、フェイスブックには中国生まれの社員のほうが多かった」とティールは述べた。「中国の出身者らは実際に、これは西洋の傲慢さであり、香港の味方をするべきではないと述べていた。他の従業員はこの問題から距離を置いたが、内部の議論は、香港を支持するのではなく、反香港的なものだった」とティールは話した。
ティールとポンペオは、中国からの交換留学生が米国で学ぶことを許可すべきかどうかについても議論した。ポンペオは「米国はオープンな国であり、中国人留学生を国内で学ばせた場合、情報が中国共産党に有利な場所に流れてしまう可能性がある」と指摘した。
ティールは、ポンペオの言うことは「基本的に正しい」と同意した上で、米国の大学が中国の裕福な資金提供者と共謀する可能性を示唆した。「彼らは中国の資金援助を受けている可能性がある。おそらく、数多くの不正が行われているに違いない」と、彼は詳細にはふれずに述べた。
トランプ政権下で、ポンペオは1年間CIA(中央情報局)の長官を務めた後、2018年から2021年まで国務長官を務めた。一方で、ティールはトランプを支持し、2016年の大統領選挙キャンペーンで彼を応援したことで、シリコンバレーでは異色の存在として注目を集めた。ただし、ティールは2020年のトランプの再戦に向けた選挙活動には寄付を行ってない。