「私はゲイであることを誇りに思い、共和党員であることを誇りに思います。しかし、それよりもまずアメリカ国民であることを誇りに思います」
5分間のスピーチの中盤で彼はそのように述べ、大きな拍手に包まれた。
ティールは共和党の政策の全てを支持している訳ではない。彼が推進する同性婚の合法化は、共和党の方針とは正反対であり、現在の共和党は「史上最もアンチLGBT的」と形容されている。共和党は同性婚の合法化への流れを転覆させようとしており、ゲイを転換療法(コンバージョン・セラピー)で“治療”する試みも検討している。
しかし、ティールに言わせればこのような文化的対立は、さほど重要では無い。経済や国家の安全のほうが大事だという。
「私が子供の頃、大人たちの関心はソビエトをどう打ち負かすかでした。そして、我々は勝利しました。それが今や、世間の関心は“誰がどちらのトイレを使うべきか”といったものです。そんな事はどうでもいいのです。もっと重要な事があるはずです」
同性婚よりも「経済」が大事
ティールが掲げるのは「国家の再生」というテーマだ。スピーチの前半で彼はシリコンバレーのイノベーションと繁栄について語り、サンフランシスコのベイエリアが、米国の希望の星であると述べた。続けて彼は、米国政府のイノベーションに対する認識の欠如をからかい、軍の施設では未だにフロッピーディスクが使われていることや、政府のソフトウェアが度々故障すると話した。
「このような無様な状態はシリコンバレーから見て受け入れがたい事です。それは政府の観点から見ても同じはずです」
ティールはドナルド・トランプへの投票を呼びかけてスピーチを終えた。
「ドナルド・トランプが偉大なるアメリカの復活を唱える時、それは過去に戻ろうという意味ではありません。トランプは我々を輝ける未来に向かう道に立ち返らせるのです」