ファウストは2021年2月、消費者がオンライン購入した複数の商品をまとめて配達するスタートアップ「オリーブ(Olive)」を立ち上げた。オリーブは、スポーツ用品大手のアディダス、アパレルのアンソロポロジーやエバーレーン、ウェルネスブランドのグープ、サングラスブランドのレイバン、シューズ販売のサム・エデルマン、ランジェリーのサードラブなど、多数のブランドや小売店と提携している。
買い物客は、オリーブを通じて提携先から購入した商品を、再利用可能なトートバッグにまとめて一括配達してもらうことができる。配達に使われたトートバッグは週に1度回収され、その際には返品したい商品を入れられるようになっている。
オリーブを立ち上げたファウストは、2016年にジェットを33億ドルでウォルマートに売却。その後、自らもウォルマートに入社すると、競合するアマゾンに対抗すべく、eコマースのサプライチェーンと物流を担当する上級副社長を3年間務めた。
ネイト・ファウスト(Noam Galai / by Getty Images for Jetblack)
オリーブの立ち上げにあたっては、かつて在籍していたウォルマートとジェットのほか、Diapers.comの同僚ら十数人が参加した(ウォルマートは先ごろ、別の人材も失っている。ジェットのもうひとりの共同創業者マーク・ローリー(Marc Lore)は2021年1月にウォルマートを退社。「未来の都市」を構築するための新しいプロジェクトに携わると発表した)。
ファウストは、「eコマースで商品を2個から4個ほど注文して配達してもらうと、1日から1週間のあいだに包装用段ボールのごみがたくさん出る」と指摘する。
米国では2020年の1年間で、オンライン購入金額が8600億ドルに達し、それらを配達するために大量の段ボールが使われた。オンライン購入額は2020年、前年比で44%増加している。