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イスラエルのフードテックスタートアップ、アレフ・ファームズ(Aleph Farms)とイスラエル工科大学が、3Dバイオプリンティング技術を用いた培養リブアイステーキ肉を世界で初めて開発した。アレフ社はほかの種類の培養カット肉生産にも意欲を示しており、各国当局の認可を得て2022年後半にも市販したい考えだ。

3Dバイオプリンターでは、通常の3Dプリンターと違って、材料にインクやプラスチックではなく細胞を用いる。研究チームは牛の生きた細胞を3Dプリントし、血管のようなシステムで成長させ、本物のステーキ肉のように筋肉や脂肪分を含む培養肉をつくり出した。生産するのに動物を殺す必要はいっさいなく、遺伝子組み換え技術も使わない。

アレフ社の創業者で最高経営責任者(CEO)のディディエ・トゥビアは「当社では遺伝子組み換えでなく、不死化もしていない、天然の細胞を用いています。3Dバイオプリントした組織を培養し、自然界と同様の仕方で生育、相互作用させ、ステーキ肉の食感や品質を生み出しています」と説明する。同社は2018年に薄切りステーキ肉を開発していたが、新製品はそれよりも肉厚のものになっている。

アレフ社の培養肉製造工程では、食肉用の家畜の飼育に比べると必要な資源量が圧倒的に少なく、抗生物質やウシ胎児血清(FBS)なども不要だ。天然の多能性細胞の大量培養などもコスト抑制に寄与している。

同社は今後、さまざまな培養肉を開発し、世界中の食卓に提供したい考えだ。大規模なヨーグルト生産設備のような「バイオファーム」と呼ぶ培養施設も建設していく予定という。

ただ、販売には各国の規制当局の認可を得る必要がある。米国では細胞ベースの肉製品は米食品医薬品局(FDA)と農務省が管轄しているが、これまで認可を出したことはない。トゥビアは、両当局とすでに接触していることを明かし、米国が世界でいち早く認可を得られる国のひとつになることに自信を示している。

編集=江戸伸禎

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