イーロン・マスク(Photo by Yasin Ozturk/Anadolu Agency via Getty Images)

イーロン・マスクの宇宙企業スペースXは、野心的プロジェクトであるスターリンクとスターシップのために新たな資金調達を模索していたが、先週、8億5000万ドルの調達を完了した。

このニュースは2月16日のCNBCが最初に報じた。関係者によるとスペースXの評価額は約740億ドル(約7兆8340億円)に達したという。フォーブスはスペースXにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。

アマゾンCEOのジェフ・ベゾスに次ぐ世界第2位の富豪であるマスクは、今回の資金調達の前にスペースXの株式の約48%を保有していた。

今回の資金調達によって彼の持ち分が希釈化されたかどうかは不明だが、仮に現在も48%を保有していた場合、その資産価値は以前の約200億ドルから約320億ドルに上昇したことになる。マスクの保有資産は、120億ドル分増加したことになるが、それでも彼がベゾスを抜いて世界一の富豪になるためには十分ではない。

フォーブスの試算でマスクの保有資産は、2月16日時点で1734億ドル(約18兆3560億円)となっている。彼の資産のほとんどは、テスラの株式であり、同社の株価は過去12カ月間で4倍以上の上昇となっている。

スペースXの企業価値は、前回の2020年8月の調達の際に460億ドルとされていた。しかし、一部のウォール街の投資家はその価値をさらに高く評価し、10月にモルガン・スタンレーのアナリストは1000億ドルという評価を与えていた。

今回の資金調達は、スターシップとスターリンクという莫大な資本を必要とする2つのプロジェクトの真っ只中で行われた。スターシップは、長期的な宇宙船プロジェクトで、最終的にはスペースXの既存のファルコン9ロケットとドラゴン宇宙船を置き換えることを目的としている。このプロジェクトの目的は、完全に再利用可能なロケットを開発することであり、他の既存の宇宙船よりも低コストで貨物を宇宙に運び、最終的には人類を宇宙に運ぶことが期待されている。

衛星インターネットにも期待


昨年5月に有人宇宙船の打ち上げを成功させたスペースXは、同社の衛星ブロードバンドサービス「スターリンク」に対する並外れた需要が予測できると述べている。このプロジェクトは、地球低軌道上に約1万2000個の小型衛星からなる相互接続ネットワークを構築することを目指している。

これまでのところ、スターリンクは、オンラインビデオゲームや映画のストリーミング視聴が可能なブロードバンドの接続速度を実現したが、このサービスはコスト面やスケーラビリティの面で、批判にも直面している。

CNBCによると、スペースXは大規模プロジェクトのための資金調達に加えて、同社のインサイダーと投資家らが7億5000万ドル相当の株式を追加で売却することを可能にする、二次的な取引も完了させたという。

編集=上田裕資

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