グーグルが「ニュース配信料問題」で豪政府と合意へ、大手と契約

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グーグルは、オーストラリア政府が同社とフェイスブックに対し、メディア企業への対価の支払いを義務付けようとしていることに反発し、オーストラリアから撤退すると警告したが、2月15日に現地のニュース関連企業「セブン・ウエスト・メディア」との契約を発表した。

グーグルはさらに、複数のオーストラリアのメディア企業と契約を結ぼうとしており、そこにはABC(オーストラリア放送協会)やナイン・エンターテイメント、ガーディアン・オーストラリアなどが含まれている。

オーストラリア最大のメディア事業体のセブン・ウエスト・メディアは15日、同社のコンテンツをグーグルの「ニュース・ショーケース」に掲載するための長期契約を、締結すると発表した。

現地メディアの報道によると、グーグルはオーストラリア議会で予定されている新たな法案についての議論を先取りするために、さらに複数のメディア企業との契約を成立させようとしている。グーグルはまた、デイリー・メール・オーストラリアやニュース・コーポレーション・オーストラリアを含む他の報道機関とも交渉中という。

オーストラリアのジョシュ・フライデンバーグ財務長官は、グーグルのスンダー・ピチャイCEOやフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOと、新たな法案について会談を行ったことを認めている。

フライデンバーグはスカイ・ニュースに対し、政府の新たなメディア交渉法がグーグルの検索エンジンやグーグル・ニュース・ショーケースに適用されるべきかどうかを決める前に、契約の詳細を把握したいと述べた。

グーグルはメディア企業との契約にあたり、ニュース・ショーケースに表示される特定の有料記事に対して、パブリッシャーに支払いを行う予定だ。

グーグルは先月、政府が計画している法案を撤回しない限り、オーストラリアでの検索エンジン事業を停止すると警告した。政府によると、検討中のメディア交渉法は、フェイスブックやグーグルのような大手が、ニュースの対価を支払わずに利益を得ていると非難する小規模なメディアを保護するためのものだという。

フランスでもメディア企業に支払い


しかし、両社は、ニュースコンテンツは彼らの売上のごく一部を占めるものであり、そのような規則は機能しないと主張した。フライデンバーグは15日、オーストラリア政府がグーグルやフェイスブックとの話し合いの結果、法案の一部を修正することで同意したと述べていた。

グーグルは、ニュース・ショーケースを通じたメディア企業への対価の支払い方法が、政府が導入を狙う強制的な法案よりも優れていると主張している。グーグルは、この法案が議会に持ち込まれる前に、メディア企業との取引を完了させようとしている。

グーグルは、政府による規制が主要ビジネスの検索エンジン事業に及ぶのを避け、新規で立ち上げたニュースプロダクトのみに焦点が当てられることを望んでいる模様だ。同社は先週、フランスでも類似した契約を結び、フランスメディアで構成する「一般報道同盟(APIG)」に対し、3年間で7600万ドル(約80億円)を支払うことで合意していた。

編集=上田裕資

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