「マネジャー」と「リーダー」を同義で使う人が多いが、2つは同じではない。定義によれば、この2つの役割には本質的に大きな違いがある。
マネジャーの仕事は特定の目標を達成するため、あらゆる要素を制御することだ。マネジャーは、プロジェクトや領域、予算、時間枠、プロセスなどの物事や、チームメンバーや顧客、業者、パートナーなどの人をマネージ(管理)し、司令などを順守させ効果的に物事を実行する。
マネジャーはもともと直線的思考をしていて、業務を重視し、現状を管理・維持しようとする傾。マネジャーは、構造に焦点を当てるのだ。
一方リーダーの仕事では、コントロールよりも他者に影響を与えて鼓舞し、会社の成功に貢献できるようにする力が重要だ。これには、ビジョンを立ててそれを効果的に伝え、部下たちから信頼を得ることが必要になる。リーダーは直線的に考えず、人に焦点を当てる。
リードするマネジャーやマネージするリーダーは存在し得るが、大半の人はどちらか1つのカテゴリーに属する。どちらの役割も必要だが、リーダー志望者が素晴らしいマネジャーの特徴を身につけても役に立たない。リーダーになるには考え方を変え、新たなスキルを構築することが求められる。
ここでは、マネジャーからリーダーに移行するための3つの方法を紹介する。
1. コントロール欲を捨てる
「マイクロマネジメント」が「マイクロリーディング」と呼ばれないことには理由がある。
もちろん、マネジャーが全員マイクロマネジメントを行うわけではない。それでも、マネジャーは目標を達成するためには全てのものや人を制御しなければならないと感じていることが非常に多い。
これは部下の士気ややる気をそぎ、息が詰まったように感じさせてしまう。マネジャーが部下を言いなりにさせようと躍起になれば、生産的ではなくただ忙しいだけになるかもしれない。これは、マネジャーの不安と信頼の欠如を示している。
リーダーは自信を持っているため、他者をコントロールすることを喜んでやめ、代わりに力を与える。賢くて才能がある人材を雇ったのであれば、あなたのリーダーとしての役割は部下が仕事をこなせるよう邪魔しないことだ。リーダーはチームに対し、必要なときはいつでも相談に乗ると伝えつつも、チームにはそれをこなす力があると伝えて部下の自信と信頼を培うものだ。
知的謙虚さを持つ素晴らしいリーダーも、他者への支配を喜んで手放す。自分が正しくあるべきとは感じず、間違ったときには新しいことが学べるためその機会を喜ぶのだ。