スターの証? ファウチ博士、連邦職員一の高給取りと判明

Alex Wong/Getty Images

米連邦政府職員の給与に関する入手可能な最新のデータによると、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長(80)は、2019年に給与所得として41万7608ドル(約4330万円)を得ていた。この額は連邦政府で働く医師にかぎらず、全連邦職員400万人のなかでも最高だ。

ファウチはドナルド・トランプ前政権の新型コロナタスクフォースの主要メンバーで、ジョー・バイデン新政権では大統領の首席医療顧問に就いた。2019年の給与額は大統領の40万ドル(約4150万円)よりも高額だ。給与データは情報自由法に基づいてOpenTheBooks.comが請求して収集した。

ファウチは現在のポストにバイデンの任期の最後までとどまれば、2019年から2014年までに合計で250万ドル(約2億5900万円)の給与を得る見通し(昇給がなかったと仮定した場合)。2010年から2019年までの10年間には360万ドル(約3億7300万円)の給与が支払われており、2014年の33万5000ドル(約3470万円)から昇給もしている。

昨年8月13日、インスタグラムで俳優のマシュー・マコノヒーからワクチンに何百万ドルか投資したのかと問われたファウチは、笑いながらこう答えていた。「いえいえ、まったくありませんよ。わたしは政府職員ですので、政府の給与を受け取っているだけです」。その額が連邦職員で最高の41万ドル超だという事実には触れていない。

タスクフォースを率いたマイク・ペンス前副大統領の2019年の給与は23万5100ドル(約2440万円)、メンバーのデボラ・バークスの同年の給与は30万5972ドル(約3170万円)だった。

参考にほかの要人の2021年の給与見込額をいくつか挙げておけば、ナンシー・ペロシ連邦下院議長は22万3500ドル(約2320万円)、ジョン・ロバーツ連邦最高裁判所長官は27万700ドル(約2810万円)。連邦上下両院議員は17万4000ドル(約1800万円)、米軍の大将級は26万8000ドル(約2780万円)となっている。

コーネル大学で医学博士号を取得したファウチは、1968年に米国立衛生研究所(NIH)で勤務し始め、1984年にはその傘下機関であるNIAIDの所長に就任。ロナルド・レーガン以来、すべての大統領に助言し、政府でのキャリアはじつに53年におよぶ。感染症研究で米国の第一人者として知られ、1984年の年金制度改革によって年金と社会保障の満額受給資格も得ている。

連邦政府で働く医師や科学者の給与が高額なのは、民間部門と遜色がないようにする必要があるからだ。OpenTheBooks.comの調べでは、2019年に大統領よりも高い40万6000〜41万7000ドル(約4200万〜4320万円)の給与が支払われた政府機関の医師は3人おり、いずれも保健福祉省の職員。

編集=江戸伸禎

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