これまでプロテラのバッテリーパックの大半は、公共交通機関のバスやスクールバス、配送用バンなどに搭載されていた。今回の提携はカリフォルニア州バーリンガム本拠のプロテラにとって、初めての建設機械メーカーとの取り組みとなる。
元テスラ社員のライアン・ポップルらが2004年に設立したプロテラは、米国全土の公共バスをEVに置き換えることを目標に掲げて注目を浴び、ドナルド・トランプ前大統領がパリ協定離脱を宣言する中で、ダイムラーなどとも提携を結び、顧客基盤を拡大した。
プロテラは1月12日、SPAC(特別買収目的会社)との合併により上場するとアナウンスした。
コマツは、2021年末までにプロテラのバッテリーシステムを使用した電動油圧ショベルの実証実験を行う予定だ。その結果、一定の基準を満たした場合は2023〜24年に量産される機器に、これらのバッテリーが搭載されるという。
重機メーカーは、欧州やアジアの規制当局が2040年か、それより前のカーボンニュートラル化を目標に掲げていることを受け、ガソリンやディーゼル燃料への依存度を下げようとしている。コマツは2008年に建設機械分野で世界初となるハイブリッド油圧ショベルを市場導入し、2020年4月にバッテリー駆動式ミニショベル「PC30E-5」をレンタル機として投入した。
プロテラのバッテリーシステムは米国で設計・生産されており、さまざまな車両に適合するようにカスタマイズ可能な点が特徴だ。
「ゼロエミッションの目標を掲げるコミュニティが増える中、プロテラはコマツとの提携でバッテリー電気式の建設機械を開発できることに興奮している」と、プロテラのCEOジャック・アレンは声明で述べた。
コマツの開発本部長である渕田誠一は声明で、「プロテラとの協業により、コマツが建設機械の電動化を推進していくことにエキサイトしている」と述べた。