その名も『独学大全』(読書猿著、ダイヤモンド社刊)。なんと800ページ近い大部にして、昨年9月末発売後2カ月を待たずに7刷出来。現時点で14万部を突破の未曾有の売れ行きだ。
『独学大全』は世界の「知」を全網羅、著者であるブロガーの「読書猿」が独自に収集、開発した「55のベスト技法」を厳選した勉強本の決定版である。勉強に挫折したとき、本を探すとき、何らかの答えが見つかる百科事典なのだ。
版元のダイヤモンド社は年末の「週刊ダイヤモンド」のトップで本書を扱い、著者が開発したカレンダーも付録につけるという異例の記念特集も打った。
Forbes JAPANでは、本書を「独学の孤独」に悩む諸兄に紹介するべく、以下、ダイヤモンド・オンラインの記事から転載する。匿名のメッセージを受け付けるサービス「マシュマロ」の著者アカウント宛てに読者から寄せられた質問(著者のマシュマロはこちら)を元に加筆・修正されたものだ。
[質問]
算数や数学が面白くなる本はありますか?
自分は小学校の頃から、算数などが苦手で、そこから数学にも苦手意識を持ってしまいましたが、苦手なことも少しやってみようと思い、質問させていただきました。
「とっておきの一冊」もお教えします
[読書猿の回答]
これはもう一杯あります。ただ、相性というものもあるので、種類の違うものをいくつか挙げながら、私の中の結論みたいなものを最後に述べたいと思います。
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まず有名どころで『数の悪魔──算数・数学が楽しくなる12夜』。ベストセラーになりました。よくできてます。ですが、これを楽しめる人は機会がなかっただけで、ほんとは数学の素質があった人なのではないか、という一抹の不安も生じます。
『算数の呪い』。こちらは絵本で、呪いです。生きることのほとんどすべてが算数の問題として押し寄せてきます。夢に見そうです。ひねりもユーモアもあります。オチも気が利いています。
遠山啓『算数の探検』。10巻本です。1970年台の古い絵本ですが、2011年に復刻版が出ました。図書館で読んでください。もうひとつ(日本語も)やさしいシリーズに、同著者で『さんすうだいすき』全10巻もあります。
Newtonライト『数学のせかい 教養編』。上記2つは子ども向けでしたが、こちらは一応大人向けです。ページ数もずっと少ない一口サイズです。学ぶ本というより、商品カタログみたいに眺める本です(悪口ではないです)。
『東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!』。いろいろある大人のやり直し向けの本の中では、おすすめかもしれません。数学が苦手だった大人たち向けで、今回のご質問のニーズに一番近いかもしれません。