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バンブル社CEOのホイットニー・ウルフ・ハード(Photo by Vivien Killilea/Getty Images for Bumble)

出会い系アプリ「バンブル(Bumble)」を運営するバンブル社(Bumble Inc.)は1月15日、上場目論見書を提出した。同社は女性が主導権を握ることで知られるマッチングアプリのバンブルを米国などで展開し、欧州やラテンアメリカ市場では老舗のデートアプリ「バドゥー(Badoo)」を運営している。

バンブルの月間アクティブユーザー数(MOU)は、バドゥーの約半数だが、バンブルのコアユーザーの課金率はバドゥーのそれを上回っている。バンブルのMOUは、2020年9月時点で1230万人とされ、そのうち9%近くが有料会員だった。

一方で、バドゥーのMOUは2840万人で、課金ユーザーの割合は4.6%とされている。9月時点の2アプリの有料ユーザー数の合計は240万人で、前年比18.8%増となっていた。

目論見書によると、バンブル社の2020年の1~9ヶ月間の売上は4億1700万ドル(約432億円)で、純損失は1億1700万ドルだった。

バンブル社の創業者でCEOのホイットニー・ウルフ・ハードは、2006年設立のバドゥーの創設者であるロシアの富豪アンドレイ・アンドリーブ(Andrey Andreev)からの支援を受けて、2014年に同社を共同創業した。

2人が出会ったのは、ウルフ・ハードが元の職場のティンダーの上司らをセクハラで訴えて退職した直後のことだった。ティンダー側はこの訴えが事実無根だと否定し、訴訟は秘密裏に解決されていた。

しかし、ウルフ・ハードはその後、さらに別のスキャンダルに直面した。2019年7月のフォーブスの記事で、彼女を支援したアンドリーブが運営するバドゥーのロンドンオフィスで、セクハラ問題が指摘されたのだ。

その後、英国の雇用法律事務所は調査で、「フォーブスの指摘は事実ではない」と結論づけたが、社内に性差別の要素があると感じている社員や元社員らが居ることが特定された。さらに、同社はアプリのアップデートの名称をポルノ女優の名前にするという社内の慣例を終了すると発表した。

その数カ月後に、プライベート・エクイティ企業のブラックストーン・グループが、アンドリーブが保有するバンブル社の株式の過半数(59%から79%と推定される)を30億ドルで買収し、アンドリーブは事実上同社から追放された。

現在はウルフ・ハードが、バンブル社とバドゥー社の2社のCEOを兼任している。

謎めいた出資元の存在


バンブル社の上場目論見書には、IPO後の社内の組織図が添付されている。ブラックストーンが、バンブルとバドゥーの株式を取得する前にフォーブスは、バドゥーの子会社が十数社存在し、それらが米国や英国、バミューダ、キプロス、マルタ、英領バージン諸島に拠点を置いていることを確認していた。

今回の目論見書には、バミューダを拠点とする旧親会社のWorldwide Vision Limitedの名前が記載されている。また、同社の第一納税者がマルタに居住しているとの文言がある。

昨年秋にバンブルのIPOの噂が最初に流れたとき、ブルームバーグは同社が60億ドルから80億ドルの評価額で上場を計画していると報じた。フォーブスはウルフ・ハードの持ち分が20%であると推定しているが、この数字は上場後に変更される可能性がある。目論見書には、投資家や役員の所有権の詳細は記載されていない。

編集=上田裕資

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