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ストレスへの反応は人それぞれだ。ストレスに弱い人は、急に後ろから触られたり、ふいに大きな音を聞いたりするだけで気が動転してしまう。

長期的なストレスは、うつ病や不安症、燃え尽き症候群、心臓病や脳卒中などにつながる。職場環境によっては、こうしたメンタルヘルス上の問題が仕事やパフォーマンス、生産性に影響を与えることもある。

そうしたストレス耐性を測る革新的なテストが、スイス連邦工科大学ローザンヌ校の行動科学者チームにより開発された。科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに昨年11月に掲載された論文によると、チームは135人を対象に、3つの異なる仮想現実(VR)のシナリオに参加してもらい、VRを使ったテストで仕事のストレス耐性を測れることを示した。

また、このテスト行えば主観的な判断を排除できる。これまで、ストレス関連障害がある人のバイオマーカー(生体指標)を特定することは難しく、研究者らは自己申告、あるいは採血などの侵襲的な方法に頼っていた。VRを使った今回の方法では、参加者をストレスが高い仮想環境に置き、心拍数の変動を測定することでストレス耐性を測った。

参加者らは3つの異なる仮想環境をそれぞれ90秒探索した。1つ目のシナリオは、何もない部屋に置かれた小さな赤いステップの上で、壁に面した状態から始まった。部屋は参加者らがいる本物の部屋と同じ寸法で、仮想の壁を触ると実際の壁の感触が得られるようになっていた。90秒の探索後、参加者は開始地点の赤いステップまで戻るよう指示された。戻ると部屋は暗くなり、2つ目のシナリオが始まった。

2つ目のシナリオでは、参加者らは街中で地上数メートルの高さに作られた仮想の歩道を歩いた。参加者は歩道を90秒間探索後、赤いステップまで戻るよう指示された。参加者が乗るとステップは降下し始め、地上レベルに到達。周囲は暗くなり、3つ目のシナリオに移行した。

3つ目のシナリオは真っ暗な部屋で、参加者は懐中電灯のみを渡され、暗い迷路を探索するよう指示された。曲がり角には人型の像が4体配置された。研究チームはさらに、参加者のヘッドホンに突然大きなホワイトノイズを3度流した。90秒後、参加者らは赤いステップに戻った。

編集=遠藤宗生

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