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グーグルによるウェアラブル企業「Fitbit(フィットビット)」の買収が、ようやく完了した。グーグルは2019年秋にFitbitを21億ドル(約2180億円)で買収すると発表したが、Fitbitは1月14日の声明で、正式にグーグルのチームに加わるとアナウンスした。

2社の合併に関しては各国の当局が懸念を示し、それが買収手続きが遅れた原因だった。最も心配されたのがユーザーの健康データの取り扱いだ。グーグルが個人データの広告利用を最大の収益源としていることに、説明の必要はないだろう。

FitbitのCEOであるJames Parkは声明で次のように述べた。「グーグルはFitbitユーザーのプライバシーを今後も保護し続け、個人の健康とウェルネスデータがグーグルの広告のために使用されることは無い。Fitbitのデバイスで得たデータは、グーグルの広告データとは別に保存され、この規定の遵守については各国の当局に拘束力のあるコミットメントを行っている」

これらのコミットメントは、欧州委員会の調査を受けてのものだ。欧州委員会は昨年12月に発表した声明の中で、この買収を認可するための条件を説明していた。

そこでは、グーグルがFitbitの健康データを広告ビジネスに用いてはならないことが述べられていた。さらに、Fitbitのデータは、グーグルとは別の「データサイロ」に保管しなければならないと規定された。

グーグルはまた、他のメーカーのウェアラブルデバイスが同社の端末に接続する際に、必要なAPIへのアクセスをブロックしてはならないとされている。この措置は、プライバシーではなく反トラスト法(独占禁止法)の観点からのものだ。

これらのコミットメントの期限は10年とされているが、欧州委員会はさらに10年の延長を行うことが可能で、遵守状況は外部機関によって監視される。適用範囲は、EEA(欧州経済領域)諸国とされているが、グーグルのDevices & Services部門バイスプレジデントのリック・オステロは「これらのコミットメントは全ての消費者の利益となるよう、グローバルに拡大される」と述べている。

今回の買収は、米司法省の調査対象にもなっており、複数のNGOがグーグルのFitbitのデータ利用について懸念を示している。

しかし、調査企業カウンターポイントのデータによるとFitbitの市場シェアは想像以上に小さなものだ。Fitbitのデバイスが、世界のスマートウォッチ市場に占める割合は、2020年上半期の売上ベースで、わずか2.4%だった。これに対し、アップルのシェアは51.4%でガーミンは9.4%、ファーウェイとサムスンはそれぞれ8.3%と7.2%だった。

ただし、今回の合併がグーグルの名を冠したウェアラブルデバイスの地位を高める上で、良いニュースであることは間違いない。グーグルのWear OSプラットフォームは長年、停滞しているが、FitbitのスマートウォッチのFitbit Senseは、ストレス検知などの新たな機能で多くのユーザーを魅了している。

編集=上田裕資

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