ビル・ゲイツ(Photo by CBS via Getty Images)

米マイクロソフトの共同創業者で読書家としても知られるビル・ゲイツが、毎年恒例となっている「今年のおすすめ本」5冊を自身のブログで発表した。2020年は「悲惨な年」だったと振り返り、読者に1年を「よい気分で」終わってほしいという願いを込めて選んだという。

「困難な時代に、わたしたち大の読書好きはさまざまな本を手に取っている」とゲイツ。「今年は、ブラック・ライヴズ・マターの抗議運動を生み出した元にある不公平といった、難しいテーマも掘り下げて考えたこともあれば、気分を変えて、1日の終わりにもう少し軽めの本を読みたくなることもあった」

ゲイツが選んだ5冊はすべてノンフィクションで、案の定というべきか、科学や組織的な人種差別、人類がいま直面している問題と歴史の関係などを扱ったものになっている。

『The New Jim Crow: Mass Incarceration in the Age of Colorblindness(仮訳:新たな黒人差別──カラーブラインド時代の大量投獄)』(ミシェル・アレグザンダー著)

米国で繰り返されてきた組織的に不平等な投獄システムを粘り強く調べた本で、ゲイツも「目を開かされた」という。10年前に出版された本だが、黒人のジョージ・フロイドやブリオナ・テイラーの殺害事件で「ブラック・ライヴズ・マターが人々の関心を集める重要な問題」(ゲイツ)になるなか、今こそ読まれるべき一冊になっている。

『Range: Why Generalists Triumph in a Specialized World(邦訳:RANGE(レンジ)──知識の「幅」が最強の武器になる)』(デイビッド・エプスタイン著)

2014年にTEDxで行われたトークの内容を基礎とした本書のなかで、エプスタインは、いまの世界はスペシャリスト(専門家)がもてはやされているように見えるが、本当に必要なのは、さまざま経験を積んで「幅(レンジ)」のあるゼネラリストを増やすことだと論じている。

ゲイツは「分子生物学や量子物理学など、高度に専門化した分野に夢中になっているのなら、どうぞそれを頑張ってほしい」と言いつつ、時間を割いてほかの分野も探索してみるといいと助言している。

編集=江戸伸禎

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