キャリア・教育

2020.10.31 08:30

彼女が宇宙に行けなかった驚きの理由 STEM分野の根深いジェンダーギャップ

STEM分野でのジェンダーバイアスは根深い(Photo by Unsplash)


研究者の需要が増大し、科学界の多様性を促す必要性が高まりつつあるにも関わらず、STEM分野でのジェンダー平等は、依然として困難な課題です。しかし、ジェンダー平等の実現を優先課題として積極的に動かなければ、問題が自然に解決することはないでしょう。
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全てのケースにあてはまるソリューションはありませんが、解決策は必ずしも多大な費用を伴うものである必要はありません。

国連の、開発のための科学技術委員会(CSTD)では、ジェンダー平等の実現という難題に取り組み、この問題を取り巻くナラティブを変えようとしています。5月に開催された直近のCSTDセッションでは、デイム・ウェンディ・ホールや、デイム・ジョスリン・ベル・バーネルといった、STEM分野を牽引する世界の女性たちが、専門知識や経験を共有すべく、一堂に会しました。

デイム・ジョスリン・ベル・バーネルは、この問題に関してこう述べています。
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「女性を欠いた職場は、才能を逃してしまっているのです。職場の多様性を向上させることで、男性だけの職場に比べて、より力強く柔軟で、生産性の高い職場へと発展できます」

CSTDは、研究の現場における格差是正や女性の地位向上をいかに推進するかに関して、科学や技術、イノベーションの政策担当者に向けた、具体的な勧告を伴う対話にも着手しています。

政策レベルでのナラティブの変革は、この問題に関する私たちの意識変革を促進する、最初の一歩です。法による上からのアプローチは、心温まる話による下からのアプローチと、対になって機能します。

勧告では、研究職への女性の参入促進、社会規範、研究設計、研究資金配分機関に関して主に取り上げています。

シャーリー・マルコム氏、ロンダ・シービンガー氏、ドロシー・ナジラ氏、ロシュニ・アベディン氏による、CSTDへの寄稿は全て、高い研究レベルを担保しながらジェンダー平等に配慮した活動を促進するための、研究資金配分機関の責任について指摘したものでした。

女性を科学の道へと導き、つなぎとめるべく、これまで数々の取り組みに多くのエネルギーや情熱、資金が注ぎ込まれてきましたが、満足な結果が出ているとは依然として言えない状態です。今後は、女性がSTEM分野で心穏やかに成功を収められるという自信が持てるような環境の構築を、政策、家庭、学校、職場環境の各面から促進していくことが求められます。


(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
過去記事はこちら>>

文=Shamika Sirimanne, Director of technology and logistics, UNCTAD

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