ビジネス

2020.10.04 08:30

中国バイドゥが目指す、「格安・高性能な自動運転車」の普及


フォーブスの世界長者番付に名を連ねるバイドゥ創業者のロビン・リー(李彦宏)は、より安全な自動運転車が道路を制するのに伴い、中国の主要都市では、5年以内に自動車の個人購入に関する制限を廃止できるだろうと予想している。

ただし、それはいささか早すぎる気もする。というのも、交通量のわずか10%を自動運転化する場合であっても、中国では、膨大な数の車をSF的な自動運転車に置き換えなければならないからだ。

スマート輸送インフラは、交通の安全性と流れを最大30%向上させると期待されている。また、電気自動車と自動運転車の製造業界は、現在のところ5.5%前後で推移している中国のGDP年平均成長率を2.4%ほど押し上げると見込まれている。

バイドゥは9月15日、6.0バージョンのアポロ・プラットフォームを発表した。これまでと同様のオープンプラットフォームだが、今回のバージョンには、複数のクラウドサービスが追加され、開発者がアクセスしやすくなっている。

アポロ・プラットフォームはこれまでに、4万5000人の開発者が提供した60万行のオープンソースコードをリリースし、全世界のパートナーは210組織にのぼるという。

バイドゥは、カリフォルニア州サニーベールに研究開発センターを置き、自動運転車に関するソフトウェアエンジニアリングを研究している。また、同オフィス外でも、コンピューターに周囲を「見る」方法を教え、人工知能機械の「ディープラーニング」をおこなっている。

ビジネスインテリジェント企業Allied Market Researchの予想によると、自動運転車の世界市場規模は、2026年までに5566億7000万ドル前後に達し、2019年から2026年までの年平均成長率は39.47%になるという。

バイドゥがシャーシや電池を製造することはないだろう。同社はただ、トラックやタクシーのドライバーをAIに置き換え、アポロが運転する車で人間たちが目的地へ向かい、その車中でツイッターに熱中できるようにするだけだ。

自動運転車市場においてバイドゥとアポロが競合するほかの技術プロバイダーとしては、グーグル傘下のウェイモ、NVDIA、インテル、サムスンなどがある。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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