米国のコロナ対応、主な同盟・パートナー国の評価は?

Photo by Oliver Contreras-Pool/Getty Images

米シンクタンクのピュー・リサーチ・センターの調査によると、世界各国の米国に対するイメージは、大幅に悪化しているもようだ。特にドナルド・トランプが大統領に就任して以来、急速に変化しているとみられる。

なかでも主要な同盟国・パートナー国の間で、米国に対するマイナスのイメージが大きく広がっている。さらに、新型コロナウイルスのパンデミックに対する米政権の誤った対応も、各国の否定的な見方を強めることにつながっていると考えられる。

実際のところ、ピュー・リサーチ・センターがおよそ20年前にこの調査を開始して以来、米国を好意的にみる人の割合は、いくつかの国で最低水準にまで減少している。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大を巡る米国の対応については、調査を行った国の大半が「悪い」と評価した。

ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、2020年9月16日までに新型コロナウイルスに感染した米国人は、約660万人。死者数は19万6000人近くにのぼっている。

トランプ政権はパンデミックの初期段階において、医療機関が慢性的に個人用保護具(PPE)の不足に苦しめられるなか、ロックダウン(都市封鎖)をはじめとする緊急措置の実施が遅れたことなどで非難されてきた。

疾病対策センター(CDC)が用意した検査キットに欠陥があったことも、混乱に拍車をかけたとみられる。大規模な検査を速やかに開始すべき状況のなか、米国はその着手に途方もなく大幅な遅れを取り、より一層危機を深めることになった。

一方、韓国やドイツなどは、早期のロックダウン実施や効率的な検査体制の整備、感染者の隔離や追跡などを行い、はるかに有効な対策を講じてきたことで、その他の先進国に比べ、感染者・死者ともにはるかに少ない数に抑えている。

「対応が良い」は最多の国で2割


ピュー・リサーチ・センターによれば、調査を実施したすべての国において、回答者のおよそ80%が新型コロナウイルスの問題への米国の対応は「悪い・非常に悪い」と答えた。また、11カ国では50%以上が、「非常に悪い」と回答している。

米政府が適切な対応をしているとの見方を示した人が最も多かったのは、スペイン。20%が「対応は良い・とても良い」と答えた。一方、その割合が最も少なかったのは韓国で、わずか6%となった。

最も厳しい見方を示した韓国、ドイツ、オーストラリアでは、85%以上の人が米国の対応を「悪い・非常に悪い」と答えた。以下、米国の主要な同盟国・パートナー国である8カ国の調査結果を紹介する。

(左は米国の対応を「良い・とても良い」、右は「悪い・とても悪い」と答えた人の割合、「分からない」と回答した人は除外)

・韓国:93%/6%
・ドイツ:88%/9%
・オーストラリア:85%/14%
・フランス:84%/15%
・カナダ:83%/16%
・英国:83%/16%
・スペイン:81%/20%
・日本:79%/15%

編集=木内涼子

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