ブルームバーグ前NY市長、黒人医学生への奨学金制度を立ち上げ

Photo by DNCC via Getty Images

前ニューヨーク市長で、金融情報サービス会社のブルームバーグを創業してビリオネアとなったマイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)が、4つの大学に1億ドル(約106億円)を寄付する意向を明らかにした。この基金の目的は、最高で1人あたり10万ドルの奨学金を支給し、学生ローンの負債を軽減することにある。

プロジェクトの詳細は以下の通りだ。

ブルームバーグの奨学金制度、主眼は学生ローンの負担軽減


ブルームバーグは、全米の医科大学のうち、歴史的黒人大学(1964年公民権法の成立以前に、アフリカ系米国人のコミュニティに教育機会を提供することを目的に設立された大学)の4校に1億ドルを寄付し、約800人の医学生を対象に学生ローンの負担軽減を図るという。具体的には、以下の4つの医科大学に対して援助を行う:

・モアハウス医科大学(ジョージア州アトランタ)
・ハワード大学医学部(ワシントンD.C.)
・メハリー医科大学(テネシー州ナッシュビル)
・チャールズ・R・ドリュー医科理科大学(カリフォルニア州ロサンゼルス)

今回の寄付は、歴史的黒人大学であるこれら4校の医科大学にとって、個人からの慈善目的の寄付金としては史上最高の金額となる。4年間にわたって支給されるこの奨学金により、4校に通う医学生は学生ローンの負担を軽減でき、卒業後も、より多様な経済的選択肢の中から進路を選ぶことが可能になる。

ブルームバーグは、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、特に黒人社会に壊滅的な打撃を与えている。黒人が多く住む地域で開業する黒人医師が少ないことも、こうした状況の一因だ」と指摘した。「黒人の医師が増えれば、より多くの黒人の命が救われ、経済的なチャンスを広げる際の制約となる健康問題に苦しむ人も減るはずだ。だが現状では、学生ローンの負債が重荷となるうえに、学資の援助制度もないため、黒人医師の不足という問題はさらに悪化する恐れがある」

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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