ビジネス

2020.09.01

米ドラッグストア大手がインフルエンザ予防接種を呼びかけ

Justin Sullivan/Getty Images

ウォルグリーンズ(Walgreens)やCVSヘルス(CVS Health)をはじめとする、米国のドラッグストアチェーン各社が、季節性インフルエンザのワクチン接種を受けに来店するよう、前例のない早期からの呼びかけを開始している。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)と流行期間が重なる前に、ということだ。

ウォルグリーンズは8月17日、インフルエンザワクチンの供給量を増やし、薬局スタッフを増員する計画を発表した。ドラッグストア各社は、新型コロナウイルスのワクチン完成を待つあいだ、季節性インフルエンザから身を守ろうとする顧客が殺到すると見て準備を進めている。

CVSヘルス、ウォルグリーンズ、およびウォルマート(Walmart)はすでに今夏から、マーケティングと広告展開を開始している。他の多くの米国の薬局や食料品店でも、秋に希望者が増える前に季節性インフルエンザの予防接種を受けるよう人々に呼びかけている。

CVSヘルスの最高経営責任者(CEO)ラリー・マーロ(Larry Merlo)はインタビューで、「季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の区別をつけるのは難しいため、そのうちのひとつを防ぐ手立てをとることは重要だ」と述べている。「季節性インフルエンザなら放っておいても治ると考えていたら、大変な目に遭うことになる」

季節性インフルエンザの予防接種は、CVSヘルスだけで最大1800万回の実施を予想しており、これは2019年の2倍に当たると同社は述べている。またウォルグリーンズも、「インフルエンザ、肺炎、その他の予防接種の需要は30~50%増加する可能性がある」と見ている。

ドラッグストアによるマーケティングや広告などの集中キャンペーンは前例のないものだ。新型コロナウイルスのワクチンが、年内または2021年はじめに完成するのを待つ顧客に、せめて季節性インフルエンザだけでも予防させる上で重要なメッセージとなるだろう。

ウォルグリーンズは声明の中で、「今シーズンはインフルエンザ予防接種の需要が強く見込まれ、メーカーはこれに対応するためインフルエンザワクチンを数百万本単位で増産している」と述べている。「ウォルグリーンズは、薬局でインフルエンザの予防接種を受ける人の3分の1以上に接種を提供してきた長い実績がある。メーカーと緊密に連携してワクチン供給量を増やし、今シーズンのできるだけ早期にインフルエンザ予防接種を実施するべく取り組んでいる」
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翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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