ロシアの新型コロナワクチンが生産開始、8月末から接種可能に

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世界初となる新型コロナウイルスワクチンの大量生産がロシアで始まったと、同国のニュース機関インテルファクス通信が報じている。これはモスクワのガマレヤ疫学・微生物学研究所が開発したもので、生産段階に入る新型コロナワクチンとしては第1号だ。ミハイル・ムラシュコ保健相はワクチンが生産に入ったと発表し、2週間以内に準備を整えて8月末には一般向けの摂取を始めることができると説明した。

以下、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から転載して紹介する。

「Gam-COVID-Vac」安全性は━━?


世界全体をほぼ機能停止に追い込んだウイルスに対するワクチンがついにできる──。という怪しげな噂は、ここ数カ月のあいだに何度も記事や話題にのぼってきた。そのため当然ながら、このロシア製ワクチンにも西側諸国(アメリカ、カナダ、イギリス)から批判の声が上がっている。モスクワの研究所は世界の安全よりも自分たちの研究と国家の威信を優先しているのではないかと、西側諸国は見ているのだ。

しかし、そうした懸念をよそに、やはりロシアはワクチンの量産を開始する。まず医師を初めとする医療従事者に投与した後に、一般市民が接種を受ける予定だ。ワクチンの名称はGam-COVID-Vacといって、「ガマレヤ・コビッド・ワクチン」を表している。2回の注射で長期間の免疫が得られるように作られている。

ガマレヤ疫学・微生物学研究所のアレクサンドル・ギンズブルク所長は西側諸国の主張を否定し、ワクチンは数十年にわたり優れた研究をしてきた科学プラットフォームに基づいているので安全だと述べた。このプラットフォームは25年にわたり遺伝子治療の開発を進めてきたが、きわめて変異の速い各種ウイルスに対する治療薬の創出にも2014年末から取り組むようになった。エボラ出血熱、MERS、その他さまざまな疫病に対するワクチン開発に携わったプログラムが、今回の新型コロナウイルスのワクチン創出を後押ししている。

ロシア当局は研究に自信をもっており、子どもや高齢者にもこの最新ワクチンの投与を予定している。現在68歳のギンズブルク所長も5カ月前に接種済みだ。現在でも体調がよく、ワクチンは高齢者にも安全だと主張している。

ワクチン接種後は医師が経過観察を行なう。その他、接種後に何らかの問題が生じた場合、迅速に医師に連絡できるモバイルアプリも開発中という。

翻訳=上原裕美子 編集=石井節子

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