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2011年から中学で必修化された「ダンス」。プロリーグ発足でさらなる人気となるか(Shutterstock)

ダンサー兼実業家として知られるカリスマカンタローこと、神田勘太朗氏(D. LEAGUE COO)にダンスのプロリーグ構想を打ち明けられたのは2019年2月初旬のことだった。その後、私に渡された企画書には「2020ダンスプロジェクト計画書」と大きく記されていた。

企画書時点での計画によると、プロリーグの発足記者会見は2019年10月、リーグ開幕は2020年10月に予定されていた。世界初のプロダンスリーグ「D. LEAGUE」の発足記者会見が、現実には2020年8月12日までズレ込んだことを考えると、新リーグを立ち上げる上でやはり紆余曲折あったのだろう。

ダンスはスポーツなのか? 現代では五輪種目にも


スポーツビジネスに携わってきた私にとって、正直ダンスはスポーツではなかった。2011年に中学学習指導要領で必修化された際、私は「文科省は何を血迷っているのか」と考えたほどだ。

ダンスという「エンターテインメント」を認めていないわけではない。1990年代にニューヨークに7年間住んでいた私は、何人もの友人が老舗クラブ「アポロシアター」に出演していたこともあり、それなりに足を運んだ。ド素人ながら超有名クラブ「パラディウム」や「ウェブスター・ホール」にも出入りした経験がある。

しかし、それでもダンスを「スポーツ」として捉えることは出来ずにいた。90年代には、ダンスはまだアンダーグランド・カルチャーの一部であったように思える。2000年代には日本でもダンス番組が登場したが、それはあくまでもアングラ文化が商業化の道をたどったに過ぎず、それがスポーツへと昇華しようとは理解できなかった。


ニューヨークのハーレムにある老舗クラブ「アポロシアター」(Getty Images)

世界で初めて義務教育にダンスを取り込んだ文科省の大胆さは、ダンスというジャンルのポテンシャルを見抜いていたと評価すべきだろうか。企画書によると、そもそも世界のダンス人口は1億人に達すると見積もられており、義務教育化の勢いにより日本でも約600万人にまでの成長が見込まれていた。

日本でスポーツをプレイすることを楽しんでいる人口と比べてみると、ゴルフ人口が1000万人、ランナー人口は900万人、サッカー、野球人口は800万人、これに続くバスケ人口は600万人なので、ビジネス上、ダンスを看過すべきではないのは当然の発想だ。

文=松永裕司

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