リーダーシップの欠如
日本の政界はさらに、経済界の指導者に新しい血を迎える必要がある。9月で80歳になる麻生は、後始末に何日もかかるような無神経な失言を繰り返している。
安倍首相はこれまで、党内のバランスを保つために副総理の支援が必要だと主張していたのかもしれない。麻生自身も2008年から2009年までの12カ月間、首相を務めた経歴を持つ。しかし、財務大臣としての麻生は、安倍政権が2012年に約束した大胆な改革を、これまで一つも実行できていない。
日本がここ20年ほどの苦境から抜け出すためには、ある種の戦時内閣が必要だ。そこで彼らが戦いを挑むべき相手は、経済の自己満足だ。
19年前、当時の小泉純一郎首相は、構造改革のビッグバンを公約に掲げて登場した。彼は、官僚主義を改め、スタートアップを支援し、自由市場から政府の手を離すことを公約していた。2001年から2006年の間に、小泉は世界最大の貯蓄銀行を抱える巨大組織だった日本郵政公社を民営化した。
その後、小泉は2006年から2007年まで首相を務めた安倍にバトンを渡した。安倍首相の後には、麻生を含む、日銀に経済運営を任せたリーダーたちが次々と現れた。2期目の安倍政権はほとんどの場合、この「日銀に任せる」パターンを継続している。
次から次へとリーダーが変わるこの自己満足が、日本の成長率が28%近くも急降下したことの原因だ。新型コロナウイルスが状況を悪化させたことは確かだが、過去20年間に登場した9つの政権のうちのどれか1つでも、硬直化し古びたシステムの近代化に成功していれば、経済はこれほど衰退していなかったかもしれない。
東京の官僚たちは今後も、日本を苦境に追いやったチームとの関係を続けるのかもしれないが、この国をまた新たな失われた10年に送り込むことは、誰の利益にもならない。ビジョンと勇気を持った新しいチームを、もう少し早く送り込むべきだった。