ビジネス

2020.08.20 10:00

対面セールスなしに大口契約を勝ち取る方法

Westend61 / Getty Images

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営業担当者には悪い知らせだが、新型コロナウイルス流行に伴うソーシャルディスタンシング(対人距離の確保)はまだしばらく続くかもしれない。

セールス活動が「通常」に戻ることはないだろう。米国で何らかの営業を職業とする約5000万人の人々は今、厳しい現実に直面している。それは、見込み客が自分と会うことを嫌がる状況だ。

ビジネス本作家のトム・サーシーは「見込み客や顧客は、自分のいる建物に他社の営業担当者が入ってほしくないと思っている」と語る。「営業担当者も移動はしたくない。これは、場所を変えることなくセールスをする新しい世界だ」

ハント・ビッグ・セールスの創業者で、大口顧客に対する営業のプロであるサーシーによれば、ビジネスのやり方、特に営業が以前の状態に戻ると期待してはいけない。セールスに携わる人は、この買い手主導の市場に適応しなければならない。

今後は、クライアントを惹きつける上でさまざまな課題が生じる。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が日常にどのような長期的影響を与えるかは現時点ではわからないが、医療専門家らは今後もソーシャルディスタンシングの措置が続くと覚悟するよう忠告している。

「米国におけるBtoBのセールスモデルは、パンデミックによってリセットされた」とサーシーは指摘する。「移動をせず在宅で仕事をする環境が新たな日常となるだろう」

サーシーは最近、キャラジェイン・ムーアとの共著で電子書籍『How To Sell in Place: Closing Deals in the New Normal(動かずに売る方法 新しい日常で契約を勝ち取るには)』を出版。同著はベストセラーとなった。

ツイッターなどの大企業は全社規模の恒久的な在宅勤務計画を打ち出しており、ビジネスの世界では既に大きな変化が起きている。

サーシーいわく、その場を動かずに行う営業は、今の状況をしのぐためだけに必要なものではなく、誰もが適応しなければならない新たなビジネス環境だ。

ビジネスのプロセスから移動が排除され、現場でのセールスの機会が減少する中で、営業担当者と買い手はそれぞれの場所にいながら取引を成立させるようになるだろうとサーシーは語る。「これにより、BtoBに関わる全ての組織は、多くの新たなスキル、指標やビジネス手法が必要とされる」
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編集=遠藤宗生

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